【前回の復習】
・縮毛矯正に行ったのにチリチリの縮毛になってしまった
・チリチリを機に一芸を身につけて「ただのブス」から「おもしろいブス」へ新しい武器を装備
・男に縁がなさすぎてジャニーズという空想世界に逃げたが、リアル世界に戻ってこれた
・リアル世界に戻るには、「街に出て彼氏のいるブスを見ること」
市場はかならず変化する
「偏差値の高いブス」から、「ただのブス」になった。
市場が変わったから自分の価値が変わった。
そこで、一芸を身につけるという商品改良をして「ただのブス」から、「おもしろいブス」となり、顧客のニーズを満たした。
市場は変わる。競合もどんどん変わる。これはもう避けられない。
どんな優良な商品も市場が変われば価値が下がる。美人だってそうだ。田舎の「美人」は、都会に出たら「まあまあかわいい」になる。 「絶世の美女」も経年により、「昔美人だったおばさん」になる。
しかし、自分の要素のなかで、普遍的でかつ劣化しないものを見つけ、それを伸ばすことで価値の延命はできる。商品改良できるならば、市場に合わせて改良する。
これはビジネスの世界では当たり前のことだ。
ブスの作業 7 競合比較
注:本連載開始から「読者が実際に手と頭を動かす箇所」として、「ブスの作業」を提示している。「ブスの作業1~6」を読みたいあなたは、前回までの連載を見てネ。
「市場」について、少しだけ解説させてほしい。
市場とは、買い手=顧客がいる場所である。
商品と顧客のニーズが合っていれば、商品は市場で売れる。しかし市場は変化する。変化にはさまざまな要因が引き金になるが、商品価値が下がるときに、「競合他社」というのが原因になっていることがほとんどである。
たとえば、ブラジャー。
ワコールやトリンプなど老舗ブランドが有名であったが、近年は「ブラトップ」というワイヤーなし商品を編み出したユニクロ(ファーストリテイリング)が、競合として台頭している。2016~17年に20~50代の女性600人を対象とした調査(日経MJ紙が実施)では、約1割がノンワイヤーブラにシフトしているという。
着心地をラクにしたいという消費者ニーズの変化を汲み取ったことにより、ワコールの売上シェア(約20%)に、ファーストリテイリングがせまる勢いとなった。
正しい競合比較をするために必要となるのが「3C分析」だ。
専門用語をあまり出したくないのだが、「3C分析」という言葉だけは覚えてほしい。
3Cとは、 自社(Company) 競合(Competitor) 顧客(Customer) である。
中学校という市場では、田舎の先生や親が「顧客」であり、同級生が「競合」であったため、私という自社商品は偏差値70であった。「学力」ただ一点だけで勝てたのだ。
しかし、高校という市場では、まず競合が「埼玉県中の神童」に変わった。それによって、偏差値が50になってしまった。「学力」自体は変わっていないのに、競合の変化によって商品価値が下がったのだ。 このとき、「学力」ただ一点で勝負することのリスクを、思い知った。
次の図は、中学時代と高校入学当初の私の3C分析である。
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