野食材で作るバレンタインチョコはどんな味? トリュフやら野草やらをチョコに練りこんでみたら…

「野食」とは野外で採取してきた野生の食材を食卓に活用すること。今回はバレンタインも近いということで野食ハンターの茸本朗さんが、とっておきの野食材を使ったバレンタインチョコレートをご紹介します。これをプレゼントすれば意中の相手もイチコロ?!


トリュフチョコの上にスライストリュフが……!?

ハッピーバレンタイン!
取材でライターさんにチョコの話を振られるたびに、男子校に通っていた青春時代を悔やむ茸本です。バレンタインデーは「チョコを購入し辛くなる面倒くさい日」以上のものではありませんでしたよこの野郎。

まあそんなことは置いといて、ここ数年ぼくは「野食材とチョコレート」の関係について強い興味を持っており、色々調理実験を繰り返しています。
というのも、ここ数年のヨーロッパやアメリカのチョコ市場において「さまざまな野食材をチョコに練りこみ、その意外な組み合わせの妙を楽しむ」というのがブームになっているようなのです。

舶来ものに影響を受けやすいピュアな意識高い系であるぼくとしては、このビッグウェーブに乗らないという選択肢はなく、色々試してきました。

味についてはピンキリというところですが、試作そのものはいずれも面白かったので、いくつかご紹介したいと思います。


国産「コショウもどき」とビターチョコが結構いい感じ

そもそもぼくがこのムーブメントについて知ったのは昨年、某私鉄系百貨店で開催されたバレンタインチョコレートフェスタに行った時のことでした。
フランスやベルギー、アメリカのたいへんお高級なおチョコさまをたくさん試食し、店員さんの説明を右耳から左耳に流していると、とあることに気づいたのです。

「あれ、なんかどのお店も、スパイス練りこんだチョコをひとつは売ってる……?」


ハバネロの2倍辛いというゴーストペッパー入り

ブラックペッパー入りとホワイトペッパー入りを比較できる製品や、かなり辛いトウガラシを練りこんだものなど、使うものはさまざまですが、かなりの確率でスパイス入りの商品に出会えました。

とくに感銘を受けたのが、ベルギーから来たというとあるショコラティエの逸品。
マダガスカルに自生する「ヴィチペリフェリペッパー」なる野生コショウを練りこんだというそのチョコは、口に入れるとたっぷりの甘みとともに、野性味タップリの鮮烈な胡椒の香りが広がってえも言われぬ味わいでした。

帰り道、ぼくはその風味を思い出しながら、ある野食材のことを連想していました。アレをチョコに練りこんだら絶対美味しいはず……!
そしてその数日後、ぼくは伊豆半島に向かったのでした。


果実があるとすぐわかる

温暖な海岸沿いには様々な植物が生えますが、そのひとつフウトウカズラは本州に自生する唯一のコショウ科の植物です。
全体的に本物のコショウとよく似た見た目をしており、果実の様子などはとくにそっくり。


赤コショウそのもの

一方で味はというと、辛みはあまり強くなく、一方で新鮮なピンクペッパーから感じるような青臭いスキっとした香りが立っています。
辛み用スパイスとして用いるにはやや物足りないのですが、チョコのフレーバーに用いるならちょうどいいのではないか……


どれくらい入れればいいかいつも迷う

というわけで粉に挽いて、湯煎したビターチョコに練り込んでみました。
食べてみると……


カカオ80%チョコなのでダークな仕上がりに

……うん……ああ、そうだね……
うん、いやね、方向性は間違ってないんですよ。
エキゾチックなスパイスの香りと、チョコのフルーティーでコクのある風味が絡み合い、実にオリジナリティのある一品に仕上がっていますし。

ただちょっと、実験に使ったチョコの酸味が強すぎて、フウトウカズラとの相性が良くないです。
酸味の強さが特徴のエクアドル産チョコを使ってしまったこっちのミス。コートジボワール産などを使った方が良かったでしょう。

また一方で、フウトウカズラの青臭さがちょっと勝ちすぎているきらいもあります。


果実(粒)と花序(もじゃもじゃしたやつ)

フウトウカズラは果実と花序(果実がつく土台になっているところ)を粉に挽いて入れましたが、果実の方は香りが強くて辛みがあまりなく、花序はその逆なので、チョコに練り込む際は果実少なめ花序多めに挽いて用いた方が良いでしょう。
次回はもっとうまくやれる! はず……
(ちなみに野食家が「エキゾチック」とか「オリジナリティある」とか言い出したら、一般人のみなさまは要注意です)


トリュフチョコにガチでトリュフ入れてみた


トリュフチョコ……ではなく本物のトリュフ

チョコに辛い物入れるのはちょっと……という方にも、おススメの練り込み野食材があります。
それはずばり、キノコ

……おっいい反応ですね! キノコを甘くするなんて冗談じゃない、そう思う方とても多いと思います、日本では。
しかし驚くことに、フランスではお菓子にキノコを用いるのはごく普通のことだったりします。

昔テレビで見たフランスの世界的ショコラティエは、テレビクルーに「チョコを作ろう」というとおもむろに自宅の庭に向かい、芝生の間に生えていたエノキタケのお化けみたいなキノコを摘むと、当たり前のようにチョコに練り込んでいました。
そのキノコは和名を「シバフタケ」というのですが、曰く「アーモンドの香りがあり、自然な甘みがあってチョコとの相性が最高によい」とのこと。

ぼくはシバフタケ入りのチョコはまだ食べたことがないのですが、ポルチーニ入りのものは何度か食べたことがあります。キノコにはナッツの風味があるもの、焦がしたような香ばしい風味があるものがあり、いずれもチョコや砂糖との相性は悪くないのです。


そして、ぼくが一番「チョコに練り込むべきだ」と思ったキノコは、ずばり黒トリュフ


いかにもチョコに入れてほしそうな見た目

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
野食ハンターの七転八倒日記

茸本朗

「野食」とは、野外で採取してきた食材を普段の食卓に活用する活動のこと。 野食ハンターの茸本朗さんは、おいしい食材を求めて日々東奔西走。時にはウツボに噛まれ、時には毒きのこに中毒し、、、 それでも「おいしいものが食べたい!」という強い思...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

Tweetがありません