天孫降臨(てんそんこうりん)とコノハナノサクヤヒメ①
アマテラスの御子・マサカアカツカチハヤヒアマノオシホミミ(正哉吾勝勝速日天忍穂耳尊)はタカミムスヒ(高皇産霊尊)の娘・タクハタチヂヒメ(栲幡千千姫)を妻として、アマツヒコヒコホノニニギ(天津彦彦火瓊瓊杵尊)を生みました。
タカミムスヒはこの孫を特にかわいがって大切に養育し、ついには、豊葦原中国(とよあしはらのなかつくに)の君主にしようと思うようになりました。しかし、まだこの国には、蛍火のように光っている悪い神々や、五月の蠅のようにうるさくわいている荒ぶる神々がたくさんいました。草や木までが物を言うようなことまでありました。
タカミムスヒは、高天原の神々を集めて、相談しました。
「豊葦原中つ国の荒ぶる神々を退治して平定したいが、一体だれを派遣したらよかろう。お前たちの知っていることがあれば言ってくれ」
すると、神々は一斉に言いました。
「アマノホヒは立派な神です。ひとつお遣わしになったらいかがですか」
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