「結論→理由→具体例」この順番を徹底せよ
学校で習った文章を書く順番の模範解答は「起承転結」だったが、社会人になってからビジネスでは“書く順番”も“話す順番”も、例外なく正解は「結論→理由→具体例」となる。
最初に結論から書かない文章は時間泥棒と見なされて永久追放だ。
口頭の場合は結論と理由はひと言で述べるべきであり、相手の時間を奪うべきではない。
結論なのにダラダラと言い訳を述べて、いつまでも結論が出てこない人をたまにお見かけするが、それもまた永久追放である。
理由もダラダラと述べてはいけない。
仮に三つの理由があるとしても、最重要の一つだけ伝えればいい。
相手が求めてきた場合に限り二つ目を、さらに求めてきた場合は三つ目を伝えるのだ。
最後に相手が興味を示した場合に限り、飛び切りわかりやすい具体例を一つ披露しよう。
もうそれだけであなたはできるビジネスパーソンの仲間入りである。
私が経営コンサルティング会社に転職してすぐに、一流大学を卒業してトップの成績で入社したと評判の新入社員が配属されてきた。
彼は連日夜な夜な企画書を作成していたが、ついに社内外で一度も採用されることなく退職してしまった。
傍らにいた私は、彼が延々と起承転結で膨大な数の企画書を作成し続けていることを知っていたが、周囲から何度指摘されても一向に改めない頑固な性格の持ち主であった。
次第に社内外で孤立してしまって居場所もなくなり、辞めざる得なくなったのだ。
「結論から言うと……」というのが彼の口癖だったが、結局、私は彼の口から本当の結論を聞いたことは一度もなかった。
しかし、私は彼からとても大切なことを教わった。
「ビジネスで結論から伝えないというのは、ほぼ犯罪行為に等しい」と。
お金の泥棒が逮捕されるのは当たり前だが、時間の泥棒もいずれ逮捕される時代が到来するのではないだろうか。
起承転結でプレゼンをやらかした人がいたら、警察に通報すれば問答無用でパトカーで連行されるのだ。
冗談ではなく、こういう成熟した時代が待ち遠しい。
ビジネスにおいては、あなたも脊髄反射レベルで“結論ファースト”を習慣化することだ。
ボリュームに逃げてはいけない
最近はさすがに流行らなくなってきたと思うが、20世紀には分厚い企画書が好まれた。
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