ウケる人、スベる人の話し方ーツッコミは『言葉』ではなく、別の要素で成立しているー
ウケる人はツッコミの「間」を重視
スベる人はツッコミの「言葉」を重視
よく、「ツッコミというのは、アメリカにはないんだよ! だから、アメリカのコメディアンはコンビじゃなくて、1人でスタンダップコメディみたいなことをやる人が多いんだよ」とわかったように話す人を見かけます。
アメリカでインプロや、スタンダップコメディを学んだことがある私としては、その発言を否定せざるを得ません。なぜなら、スタンダップコメディにも、ツッコミの要素がまったくないわけではないからです。
とはいえ、そうした人が指摘するように、スタンダップコメディアンは1人で芸を披露しています。それなのに、どうしてツッコミが存在しているのかというと、ツッコミとは言葉ではなく、「間」で行うものだからです。
例えば、アメリカ人が冗談を言った後に、顔をしかめたりしながら、一時的に黙る「間」を設けているのを見たことがありませんか?この間があることで、聞き手は話者の発言をボケだと認識し、発言のおかしな部分を正確に把握することができるのです。
このように、アメリカ人の会話では、話し手がきちんと「間」を用意しておいて、その間に聞き手が脳内でツッコミを行うことで、笑いにつながっています。言ってみれば、この「間」さえしっかりと用意してあげれば、聞き手は「そこが笑うポイントなのか!」ということを理解して、笑いが巻き起こるのです。