「これが僕に最高の“自信”を与えてくれたものさ」
3月28日午後、米国南部テキサス州の中心都市ヒューストン。待ち合わせた男性は、スターバックスの中でいきなり、ジャムの瓶に入った黒いどろどろした液体を取り出した。
黒い液体といってもコーヒーではない。男性は「これがテキサスで取ったシェールオイルだよ」とサングラス姿に真っ白な歯で笑ってみせた。手に取ると、ガソリンスタンドでも嗅いだことのない強烈な臭いがした。
この男性は、現在ヒューストン市内で、シェールガス開発の地質調査などを行うコンサルタントのポール・ガルビーさん(28歳)。コンサルタントとはいうものの、彼はつい最近までガス開発の現場のど真ん中で働く「ドリラー(掘削者)」と呼ばれる労働者だった。

だが、湧き出るシェールガスが彼の人生を一変させた。