「大勢の人が待っている」に弱い
行列のできるカレー屋だとか、チケット発売から数分で完売だとか、注文しても2年待ちのオーダーメイドだとか、大勢の人が待ち焦がれていて、でも、その大勢の人を待ち焦がれたままにしている人は、ポップな密着系ドキュメンタリー番組に採用されやすい。ふーん、こんな人がいるんだと適当に把握した辺りで早速投じられる、大勢の人が待ち焦がれているんです、という情報や状態を前に、マジか、そんなにすごい人なのかと、素直に納得してしまう。
「客を待たせている」に加点し過ぎた
いきなりテレビに頻出するようになった花田優一には、親が横綱だったとかそんなことは関係なく靴職人をやっているんです、との情報に、「とにかく今は、靴を作るペースよりも注文が殺到しており、完成までに時間がかかる」との現状が添えられていた。不倫して離婚するのは当人の自由なので、こちらがとやかく言うことではないが、その前後に浮上してきた、靴職人としての実力不足云々という査定が、彼を叩くために起動したものなのか、実際に実力がないのかは、いまだによくわからない。
ただ、納期の遅れについて客からのクレームが殺到している事実を聞けば、自分は「誰かを待たせている」状態に加点しすぎていたのか、と反省する。納期予定の段階でデザイン画が送られてくることもあった、と聞けば、今でこそ呆れるが、当初なら、「職人ってそういうものだから」と納得したかもしれない。「気分が乗らないとできない」が発生させる遅延を、「職人ってそういうもの」と適当に理解しかねないこちらは、密着系ドキュメンタリーを見過ぎなのだろうか。
この人もいつもの感じだったか
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