第3回】シェール革命のウソとホント

「シェール革命」といってもよくわからないし、誤解もたくさん存在する。革命は何を変えて、何を変えないのか。Q&A方式で説明する。

 シェール革命って何がすごいの?


 「地中に眠る大量のガス」を取り出せるようになったことが革命と呼ばれる最大の理由だ。

 シェールガスは、地下2~3キロメートルにある頁岩(けつがん)と呼ばれる岩石の層(シェール層)に閉じ込められたガス。30年以上前から存在が確認されていたが、2000年前後の技術革新によって、革命的な量の商業生産が可能になった。
 埋蔵量は世界で6600兆立方メートルとされる。従来の天然ガスを含めると、世界のガス消費量の250年分にもなる。先行して開発が進んだ米国は09年に世界最大の天然ガス生産国となった。

 米国は2000年代前半までは世界最大の天然ガス輸入国になるとみられていたが、シェールガスの大量産出により、一気にLNG(液化天然ガス)の輸出を計画するまでになった。しかも、米国では開発コストが低く、ガス価格が他地域と違った全く新たな値動きを始めている(図参照)。

 また、シェールガスの掘削に加えて、より採算性のよいタイトオイル(シェールオイル)と呼ばれる石油も産出されている。世界で原油価格が高騰する中、米国は自国での石油開発をより重視している。国際エネルギー機関(IEA)によると、米国は20年までに世界最大の産油国となる見通しだ。

 米国が石油を中東に依存しなくなれば、世界のエネルギー安全保障の地図が塗り替わる可能性もある。そうした意味でも、シェールガスは「革命」を引き起こしているといえる。
 

 シェール革命で、一体何が変わるの?

 


 まず現状で一番の変化はシェールガスの登場で、米国でガスが圧倒的に安くなったことだ。

 天然ガス価格は、原油が高騰する前の2000年代前半でも100万BTU(英国熱量単位)(*)当たり5ドル程度だったが、米国では昨年、2ドル台で推移していた。現在も4ドル前後でまだ安い。
 特に、近年はより採算性のよいタイトオイルの開発が主で、この掘削に伴ってガスが出ているのでガスの開発コストは実質ゼロだ。

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シェールが起こす3つの革命 ~シェールは世界の何をどう変えるのか

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米国発の「シェール革命」が世界を揺るがしている。大量の“金脈”の誕生で、米国は新たな存在感を際立たせ、世界のエネルギー資源をめぐる既成概念を破壊しつつある。一体、シェールは世界の何をどう変えるのか、日本は大きな変化にどう対応すべきなの...もっと読む

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