第2回】田中伸男(前IEA(国際エネルギー機関)事務局長)インタビュー

米国のシェールガスの影響が全世界に及んでいる現在、日本にはどういう影響があるか。ロシア、米国の今後はどうなるのか。そして日本が取るべき立ち位置、戦略は何かを前IEA(国際エネルギー機関)事務局長 田中伸男 氏に伺った。
田中伸男/1950年生まれ。
東京大学経済学部卒業後、
73年に通商産業省に入省。
2007年IEAの事務局長に就任し、
4年間務めた。

──米国のシェールガスの影響が世界に及んでいる。

 米国は数年前まで、LNG(液化天然ガス)の大量輸入国になると目されていたのが、シェールガスの産出で輸出国になる見込みとなった。

 これまで天然ガスの取引は、ロシアやアフリカから欧州へ、中東から世界各国へ、東アジアから日本へ、輸出するという単純な構図だったのが、米国の台頭で一気に様相が変わり始めた。アフリカの新たなシェールガスの産出国が加わると変化はさらに大きくなるだろう。

 特に、従来の天然ガスの大量産出国であるロシアは、これまで売り先を欧州に依存していた。だが、欧州で景気が低迷していることや、中東の天然ガスのシェア拡大などで非常に厳しくなっている。このため、東側を重要視し始めている。

──日本にどういう影響があるか。

 日本としては、輸入先を多様化するチャンスだ。現在、米国のガスは低価格で、輸送コストを含めても、今の(原油価格に連動した)LNGより安くなる。消費者にとっても非常によいことだ。日米同盟の関係を考えても、米国の天然ガスを購入するのは戦略的に重要だろう。

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シェールが起こす3つの革命 ~シェールは世界の何をどう変えるのか

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