前回、「私は前妻の話をされると嫉妬しかしないし、悲しいし、自分がつまらない人間であることを実感してしまう」と彼にLINEしたら、「悪かった。もう俺からその話は二度としないから許してほしい」という返事が来たことをお伝えしました。
それ以来、二人でいるときに、前妻についての話題はほとんどのぼらなくなりましたが、彼は前妻の法事を開催したり、前妻と共通の知り合いとのお食事に行ったりすることがありました。
そのようなとき、私は内心「あー、今この瞬間は、前妻が話題にのぼったり、前妻との思い出が頭をよぎったりしているんだろうな。本当にむかつく」とイライラしていました。
だって、一秒たりとも、彼の頭の中に、他の女の存在がよぎってほしくない!みなさんもそう思いませんか?
彼にそのことを伝えると、「今はもう君のことしか見てないから安心して」と甘くささやかれていたので、私はその言葉に縋り続けていました。
そうも言っていられない事件が起きたのは、その数日後。寝ぼけた彼に前妻と名前を呼び間違えられたときのことです。
名前を呼び間違えられた時、全てが変わった
その日、同棲していたアパートで、私はお昼寝中の彼を起こさないよう、そっと洗濯物を畳んでいました。
すると、お昼寝から目覚めて、半分寝ぼけていた彼は、私の顔を見てこう口走ったのです。
「はるかさん」と。
最初は私も洗濯物に集中していたので、なんと言われたかがわかりませんでした。しかし、彼はもう一度、はっきりとこういったのです。
「はるかさん」と。
はるかさんとは、前妻の下の名前です。その時、私の中で何かがプッツリと切れました。そして、その時「あ、やっぱり私は前妻の代わりなんだな」「私のことを見ているというのは嘘だったんだな」と思いました。
あまりのショックに取る物もとりあえず出ていき、あてもなく外をふらふらと歩いていました。「今日まで、好きな人と一緒にいられて幸せだったから、このへんで死んでしまうのも一つの手かな…」と。
でも、いざ最寄り駅の踏切に着くと、やっぱり死にたくないなと思いました。これだけ辛い思いをしたうえで、さらに痛がりながら死ぬって、割に合わない。死ぬことはいったんやめよう。
そこで、彼を紹介してくれた友人へLINEを送りました。実はこんなことがあって…と、事の顛末を伝えると、「それはひどい。でも死ぬくらいなら別れて、新しい男を探そう」と返事が来ました。
それはそれでアリです。しかし、こんなにも惨めな思いをしても、やはり私は彼のことが好きだったのです。だから、別れるにしても、関係を続けるにしても、ちゃんと向き合わなければならないと決心をしました。
私が彼に突きつけた要求
すっかり暗くなってから一旦帰宅すると、彼は私を待っていました。そして、「夢に前妻が出てきて、殺したと責められたんだ」「つい寝ぼけて名前を呼んでしまった、申し訳ない」などと言い訳をしてきました。
でも、そんな言葉が簡単に信じられるわけがありません。彼の言葉をそのまま信じて裏切られたのですから、この時点で彼には不信感しかありません。そこで、このような要求を突きつけました。
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