書くモチベーションは、高尚な「理念」より剝き出しの「欲望」がいい
企画やプレゼン資料など〆切が迫ってきても、なかなか着手できない人がいる。
書くためには「モチベーション」が必要だと救いを求める人は多いのだ。
だが「文章の書き方」本の類いを読むと、書くためにはモチベーションなんて要らないと主張する著者は多い。
特に、職業作家が書いた本にその傾向は強い。
どちらが正しいのだろうか。
正解はモチベーションがなければ書けない人にはモチベーションが必要だし、モチベーションがなくても書ける人にはモチベーションは不要だ。
同一人物でも時期や状況が変われば、モチベーションが必要になったり不要になったりするものだ。
私自身もそうだし、それでいいと思っている。
先ほどの「書くためのモチベーションなんて要らない」と主張する職業作家たちにしても、本当はモチベーションが必要な時だってあるはずだ。
ただプロとして格好をつけたいとか、痩せ我慢をしているだけだろう。
ビジネス文章でも、プライベート文章でも、もしあなたに書くためのモチベーションが必要であれば、見栄のモチベーションだけはやめたほうがいい。
見栄のモチベーションとは噓のモチベーションであり、高尚な理念のことだ。
それよりは「モテたい」「お金持ちになりたい」という欲望をモチベーションにしたほうが継続できるし、自然体でリラックスしていい文章が書ける。
なぜならそこに噓がないからだ。
フランスの文豪オノレ・ド・バルザックもロシアの文豪フョードル・ドストエフスキーも
借金返済のために作品を書き続けているし、日本にもそうした文豪は数多い。
酒に溺れて借金まみれになっても名作を書き続けられるのが、天才の天才たる所以なのかもしれないが、どうやらモチベーションは不純なほうが効果的なのは確かなようだ。
ここだけの話、下心があっても口外しなければ誰にも咎められることはないから安心してもらいたい。
それに最初は不純な動機で書き始めたとしても、次第に高尚な理念になるかもしれない。
本音で高尚な理念を持てるのは、功成り名遂げてからでも十分なのではないだろうか。
片想いでいいから、恋をする
文章を書くのと恋愛に何の関係があるのかと、あなたは不思議に思うかもしれない。
ところがこれが関係大アリなのだ。
プライベート文章はもちろん、ビジネス文章でも力を発揮する。
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