NCISの恐るべき捜査能力によりサントス中将の正体が明らかに!

【第19回】
FBIの鈴木は、サントス中将の正体を探るためNCIS(海軍犯罪捜査局)のギッブス特別捜査官へ電話をかけた。サントスの配属地はウィーン郊外のブルモスキー空軍基地で、神父が殺された当日、日本を訪れていたことも判明。だが、いま現在はISISに撃墜されたパイロットの救出に向かっていた!

究極の伝奇ロマン&暗号ミステリー!

一瞬にしてサントス中将の現況を割り出すNCIS

32

“Gibbs”
(ギッブスだ)

“Hi. Nick Suzuki, remember?”
(ニコラス鈴木です。覚えてますか?)

“Yes. What’s up?”
(ああ、どうした)

“I got a favor to ask.”
(頼みたいことが)


電話の相手はNCISの特別捜査官アンソニー・ギッブスだった。ワシントンDC時代に何度か一緒に仕事をさせてもらった尊敬する先輩である。

NCISは海軍犯罪捜査局という連邦組織である。

軍人による軍隊内部の憲兵とは違い、文人による警察組織で、海軍、海兵隊関係者の犯罪捜査を担当することが主体ではあるが、現在ではその活動が全軍に及んでいる。いわば、軍関係者の絡んだ犯罪を担当するFBIのような警察組織である。

FBIにとってNCISとの共同捜査は日常茶飯事であるが、常にどちらが主導権を握るかで対立する。特にギッブスの押しの強さは定評があり、それは鈴木自身が何度も経験していた。

(それでも今はNCISに頼るほかないだろう。)

そう決心しての電話だった。

鈴木は事件の概要をギッブスに説明し、サントスの尋問への援助を願い出た。


“So, you think Santos is involved in the murder of the reporter.”
(それで、サントスが記者の殺害に関与していると思っているのか?)

“Yes”
(はい)

“OK, but, that is under our jurisdiction.”
(判った。だが、それは俺たちの管轄だな)

嫌な予感がした。
暫く会話が途絶え、電話口の向こうでギッブスが何か報告を受けているような様子がうかがわれた。

“I just got informed. Santos has been assigned to Brumowski Air Base.”
(サントスの配属が判った。ブルモスキー空軍基地だな)

“Where?”
(どこですか?)

“Vienna, Austria”
(ウィーン、オーストリア)

鈴木は愕然とした。
ギッブスとそのチームの素早さにも驚かされていた。

“You said a Catholic priest was killed with the same 22.”
(カソリックの神父が同じ二十二口径で殺されたと言ったな)

“Yes.”
(はい)

“When?”
(いつだ?)

“November 29.”
(十一月二十九日)

“Wait!”
(ちょっと待て)

また、しばらく沈黙が続いた。何かを調べているのだろう。
待ち構えていた鈴木に驚きの言葉が返ってきた。

“OK. He is the guy who you are looking for.”
(判った。そいつが犯人だ)

“What?”
(え?)

“He flied to Yokosuka the morning of that day and returned to Vienna within 24 hours.”
(その日の朝早く横須賀に飛んで、二十四時間以内にウィーンに戻っている)

何がなんだが判らない速さでNCISの調査は進行していた。海軍関係者の行動はすべて把握出来ているようである。鈴木は圧倒されて言葉が出なかった。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
神の遺伝子

中田力

“神の遺伝子”をさがす謎の中東系の男と米国人記者に始まる連続殺人事件。若き遺伝子学者・高山菜月は、FBI捜査官の日系人・鈴木とともに二つの謎を追いかけていく。Y染色体ハプロタイプ分析から導かれる人類の歩み。日本古代史の謎。そして救世主...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

Tweetがありません