8 自由貿易 のはなし── 外国から稼ごう
国内の農業を守りたいけど……海外の市場も欲しい
ここまで関税と産業の話をしてきました。では、外国はどうなのでしょう?
実は外国も日本と同じなのです。外国に積極的に売りたいものと、国内にあまり入ってきてほしくないものが、それぞれの国の事情によって異なります。
日本は自動車に関税をかけていないけれども、他の国はけっこう高い関税を課していることにふれました。自動車はもともと価格が高いので、数パーセントの関税でも価格には大きく影響してしまいます。輸出するほうから見れば、できる限り安く売りたいので、これは困りますね。
こうした状況から抜け出すために、輸出する相手国に「関税をとっぱらってください!」という交渉をします。これを「自由貿易交渉」といいます。
人口が減少し、少子高齢化にともなって社会保障費がふくらんでいく日本。日本が今の経済力を保ち、世界での存在感を維持するためには、外国から稼ぐことが必要です。日本の成長に自由貿易は欠かせません。では、自由貿易とはどんなものなのでしょうか。ここからは、自由貿易についてみていきましょう。
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