神童からただのブスへ

必死の受験勉強のかいあって、偏差値70超えの女子高に入学した田村麻美。生まれて初めて承認欲求が満たされたのに、あっというまに「偏差値の高いブス」から「ただのブス」になってしまった!!!

【前回までの復習】

・ブスは勉強すべし

・本能レベルの欲望を勉強のためのエネルギーにする

・市場を細分化し、ターゲットを絞って商品改良をする。つまり「偏差値の高いガリ勉タイプ」にウケる自分に改良する


神童からただのブスへ

高校時代。女子高はとても楽しかった。

ただし、トップ高である。

いままで田舎の中学校で神童と呼ばれてきたが、県内各中学校の神童たちが集まった高校。すぐに成績はビリへと転落した。

一時的に満たされた承認欲求はガタガタと崩れ落ちていった。

「頭のいいブス」が「ただのブス」になった瞬間だった。  

どんなに計画を立てて試験勉強をしようと、もはや私はトップにはなれない。

ひとつ上の学年に、こんな先輩がいた。

超美人。スタイルはモデル級。

いつも小さいバッグを持っていて、そのなかにはお財布が入っていない、という噂だった(つまり常に男性が払ってくれる)。

勉強、たぶん全然していない……。楽しく生きている(ように見えた)。それでいて成績はトップ。現役で慶應義塾大学にスルッと合格。 その後の経歴も華々しく、いまやだれもが知る有名人だ。

本当にこんな人がいるんです。

超一流の場には、超一流の人たちが集まっている。それはもう、死ぬほど努力して勉強しても、追いつけないものだった。

自分の強み(勉強)がまったく通用しない場所に来てしまった。

つまり、市場が変わったのだ。


縮毛の激化

唯一の自分の売りであった勉強で太刀打ちできなくなった私は、自暴自棄になった。

何を思ったのか、マンドリン部に入ってしまった。マンドリンは楽しかった。女子だけでわいわいしながら、切ない音楽を奏でまくっていた。マンドリンとはあの無印良品店で流れている「かなかな──」というヒグラシの鳴き声のような楽器である。 「だれか私の体という楽器を奏でて」という思いもあったが、女子高だし、まったく男に縁がなかった。

しかもがんばって勉強しても成績が悪い、男もいない、ストレスで太る。最悪だ。

学校までは電車通学。電車で男子高校生を見かけることもあった。 「近づきたい。やりたい」

そんな妄想が膨らみまくっていた。

高校時代にやるのは無理かもしれない。

ただ、できるかぎり見た目には気をつけよう。

そのころ縮毛矯正というものが安価で提供されはじめた時期だった。幼少期、坊主頭にされたおかげで、私の髪は超剛毛。しかも、変にうねりもある髪だった。

そこで、おこづかいを貯めて、縮毛矯正に行った。

薬剤が合わなかったのか、私の髪のせいなのか定かではないが、縮毛矯正に行ったのに、縮毛になったのだ。

チリチリになった。

理科の実験で使ったあの燃やすと酸化鉄になる綿あめみたいなスチールウール。そんな頭になってしまったのだ。

マンドリン部なのに、レゲエ好きかのようなパンチのある髪型になってしまった。

一度チリチリになってしまった頭はどうにもできない。もう、伸びてくるのを待つしかない。こんな頭では一生彼氏なんてできないと思った。

早く伸びてきてほしいので、父親のヘアトニックも使った。全然効果はなかった。

しかし、縮毛矯正で縮毛になったことで何かが開けた。

みんなが私の頭を笑ったのだ。

笑われたことがうれしかった。おそらく注目をあびてうれしかったのだ。共学であれば、男子の目があり、登校拒否をしていたであろう。

それが、女子だけだったため、そこまで気にせず通っていた。それがよかった。

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ブスのマーケティング戦略

田村麻美

税理士、大学院生、一児の母、そしてブスである田村麻美さんによる、「ブスが幸せな結婚&ビジネスでの成功」をかなえるための戦略論。誕生から、受験、処女喪失、資格取得、就職(即退職)、結婚・起業するまでの物語を赤裸々に記した半生記と、結婚・...もっと読む

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