Rule
常に仕事を客観視して、
どう活かせるかを考える
社外で活用できるキャリアかどうかを、どうやって判断するのかが分からないという人もいるかと思います。
そんな人にぜひ書いてもらいたいのが職務経歴書です。
日本では、就職活動や転職活動をするとき、履歴書を書くと思いますが、海外では職務経歴書といって、これまで自分が培ってきた仕事や勉強の具体的な内容や、どんなスキルを持っているのかを自由フォーマットで書くのが一般的です。
最近では、日本でも履歴書のほかに職務経歴書を添えて求人先に提出することが増えてきました。
履歴書と違ってここに書く内容は、どこの学校を卒業したとか、どこの会社で働いていたかということよりも、何を学んできたのか、何をしてきたのか、何ができるのかということを重要視します。
初めて書く人は、「1枚にぎっしりなんて、とても無理」と思うかもしれません。
けれども、海外では職務経験のほぼない新卒採用の応募でも、こうした内容を書いていきます。
ですから、書けないと思うのは、自分のキャリアについて考え慣れていないだけなのです。
私も職務経歴書は、余白がないほどに埋め尽くします。
でも、それは私が特別にすごいキャリアを持っているからではなく、常に仕事を客観視して、どう活かせるかを考えているからです。
例えば、下っ端であるがゆえに、課員全員のスケジュールを調整して、課のミーティングを設定していたときは、
■複数名のチームのタイムマネージメントを行った経験からチームの中での調整が巧み
=チームワークでする仕事が得意
=コミュニケーション能力に優れている
という形で、自分を評価しました。
ソニーに新卒で入社し、望んでいたわけではない秘書として配属された経験も、
■大企業で経営者の動きを間近で見た経験がある
=経営者のクオリティーで業績が変わることを知っている
=上場企業の数字に表れないソフトな部分を加味して評価できる
というふうに、アナリストとして上場企業を調査するポジションになったときに、自分にしか持っていない経験としてアピールしました。
また、スポーツを長年していることから、
■勝敗を分けるスポーツで勝つために日々トレーニングをしている
=結果を出すために努力できる
=困難を乗り越えるだけの精神力がある
というように、プライベートにも触れて自分なりに評価をしたところ、経験のない仕事を任されたこともあります。
このように、たとえトップセールスマンやスーパーエンジニアでなくとも、職務経歴書でアピールできるのです。
自分の経験に基づき、その経験からどのようなスキルが得られ、その経験がどのような自分をつくり上げたのかを、自分の言葉で伝えればよいのです。
若干仰々しく聞こえるかもしれませんが、自分のことを知らない人に自分を知ってもらうとなると、控えめに書いては相手に伝わりません。
履歴書は単に学歴・職歴を書くだけですが、職務経歴書は自分でデザインして、事実であれば、どこにフォーカスを当ててもよいので、自分の考え・やる気をアピールできます。