Rule
住宅ローンは審査があるので、組めるうちに組もう
家の購入には、まとまったお金が必要なので、住宅ローンを借りる人が大半だと思います。
そのため、ローンは簡単に組めると思っているかもしれませんが、果たして、あなたも問題なく借りられるのでしょうか。
ローンというのは、銀行が返済を前提に貸してくれるお金です。
銀行は、返済できない人にお金を貸すことはないので、返済能力を過去の実績から客観的に評価して、貸付するかどうかを決定します。
まず、現在の借金の状況はもちろんのこと、過去にさかのぼっての借金の返済履歴(クレジットカードの支払いが遅れたことがないかなど)などが確認されます。そして、返済が遅れた記録があると、ローン審査に影響します。
ですから、本連載でもクレジットカードの項で説明しましたが、カードの利用にあたっては、常日ごろ、カード口座の残高や引き落とし額などを把握できるようにしておくべきです。
また、住宅ローンを組むかどうか考えるとき、うっかりしそうなのが、年齢と職業(特に勤続年数)です。
まず、年齢ですが、「月々の返済は給料が原資」というのが銀行の前提ですから、定年前に返済が完了する人の方が、銀行としては貸しやすいわけです。
「まだまだ仕事も家族計画も安定しないから」などといって、若いうちはローンを組まずにいて、ようやく40代になってローンを組むと、もし30年ローンであれば、完済するのは定年後の70代です。
こういう人に対しては、銀行の返済能力の審査もより慎重になるので、頭金を多く用意するなど、審査通過のためのプラス材料が必要になってきます。
次に、職業ですが、ローンの審査を受ける上で必ず影響するのは、給与と勤続年数です。
給与が一定だとしても、働いている会社が一定でなければ、安定的な給与所得があるとは見なされません。
ですから、フリーランスや自営業の人ほど、安定的な給与所得の証明が難しく、住宅ローン審査においては不利になります。
反対に会社員というのは、この点で有利であることは間違いありませんが、転職を繰り返している人や、会社が倒産して職を変えることを余儀なくされた人も新しい会社の勤続年数が短いと、審査にはネガティブに影響するというのが一般的です。
今後は、終身雇用は一般的ではなくなっていきます。
そうなった場合、所得が不安定になる人は増えるでしょう。
転職が家の購入のタイミングと重なってしまえば、銀行のローン審査が通らず、転職か家の購入かのどちらかをあきらめざるを得ません。
また、失業した場合も、再就職して試用期間を終え、給与の額が安定してくるまでは、ローンでの持ち家の購入は難しいでしょう。
よく「転勤族だから」「社宅があるから」という理由で、どちらかというと、会社を中心にして家を買うかどうかを決断している人がいますが、家を購入するときが退職時や転職時、失職時だったりすると、ローンを組むことができないということも意識しておいてください。
ローンは「計画的に組む」だけでなく、「組めるうちに組む」のが鉄則です。
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