カレに母親の影響を感じた瞬間
【登場人物】
清田隆之
桃山商事・代表
1980年生まれの文筆業
森田雄飛
桃山商事・専務
同じく1980年生まれの会社員
ワッコ
桃山商事・係長
1987年生まれの会社員
清田 桃山商事の恋バナ連載、今月は恋愛と親子関係をテーマに語っています。
森田 前編では主にカレシのマザコン問題を取り上げて、その流れから、恋人に見られる「親からの影響」という話題になったんだったね。
清田 長く付き合ったり結婚したりすると、相手の親と顔を合わせる機会も出てくるから、その影響も見えてくるよね。ある女性は、「カレのごはんを食べる順番に母親の影響を感じた」と言っていた。
ワッコ 食事は人によってスタイルがかなり違いますよね。
清田 そのカレの場合、まずはおかずばっかり食べて、ご飯は最後に食べるスタイルだった。彼女の家で食事をするときもカレはそれを堅持して、おかずが少ないと「もっとおかずないかな?」とか言ってくるらしい。
森田 それはイラッとしそう……。
清田 あるときカレの実家の食事にお呼ばれしたら、食卓にはおかずがズラッと並んでいて、ご飯は最後に出てきた。カレの母親がお酒を飲む人で、昔からそういうスタイルだったみたい。
森田 完全に飲み屋仕様ってことか。
清田 ご飯は“シメ”なんだね。それで、カレの食事の順番やおかずへのこだわりは母親の食卓の影響だということがわかった。
ワッコ 実家に行って初めてピンときたわけですね。ただ、実家と同じものを彼女にも求めるって、ちょっとヤバくないですか?
森田 そもそも料理してもらってるわけだしね。
清田 でも、このカレのように母親と同じ役割を恋人や妻に求める男性って結構多いんじゃないかな。
森田 これは女友達に聞いた話なんだけど、その子の同僚男性が外資系コンサルに勤めている女性と付き合ってるらしいんだよね。気も合っていていい感じなんだけど、彼は「今のカノジョは料理ができないから結婚しない」と言ってるんだって。
ワッコ はあ!? 同じように働いていて、しかもバリキャリの女性と付き合っといて、そんなこと言うんですか?
森田 俺の女友達も疑問を感じて、あなたが自分で料理すればいいじゃないかと言ったら、彼は「だって、コーヒーも人に入れてもらったほうがおいしいじゃん」と言い放ったらしい。
清田 マジか……。
森田 彼のお母さんは専業主婦で料理上手な女性だったようで、そういう人を結婚相手として求めてるみたい。
ワッコ イヤすぎてゲロはきそうです。
清田 これ、結婚観や家族観というものが親からの影響を強烈に受けているって話だよね。相当意識的にならないと、その価値観を見つめ直すことは難しいんだろうなと思う。
スピリチュアルな妻との付き合い方
森田 恋愛観とはまた別の価値観の話を、ニコ生番組の常連投稿者「いつもの先輩」が教えてくれたので紹介したいなと。先輩のおくさんはスピリチュアルなものが好きで、占いやパワースポットに結構なお金を使うらしいんだよね。先輩は結婚する前からそれがずっとイヤだった。
清田 それは確かに気になりそう……。
森田 ただ、先輩の心持ちは最近変化してきているようで、「源流」がはっきりしてるから仕方ないと思うようになったみたい。おくさんの実家にはでっかい神棚があって、お義母さんは何かあるとすぐに「神様が」と口に出す。お義母さんのことを知れば知るほど、この人に育てられたんだから妻がスピにハマるのも無理ないよなという思いが強くなると、先輩は言ってました。
清田 悟りの境地だね。
森田 スピは先輩にとって理解できないものだからこそ、背景も含めて妻のことを人間として理解しようとしてるんだなと感じたよ。
ワッコ わたしは未婚なのでわからないんですけど、お二人はおくさんにそういう親からの影響を感じますか?
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