機上にて。アキがのほほんとしてる私を見て言った一言。

ユウカとアキは、沖縄へ向かう飛行機に乗って空に飛び立った。隣で座るアキの様子はいつもとは違うようで……。

飛行機は一度ドウンと沈んだように屈伸したかと思うと、次の瞬間にはふわっと浮き上がったのを感じた。

窓から見える景色は、一瞬で地平が斜めに変わり、機上の人になったことを再確認させる。

何度乗っても飛行機が空に向かって飛び立つ瞬間は、緊張と弛緩の感情が交互に押し寄せて、慣れなかった。

飛行機のエンジンが乗客席にも伝わるほど爆音を立てて、ぐんぐん上へ上へと力強く私たちを押し上げている。

アキが傍目で見てもわかるほどに震えているのがおかしい。

ユウカは落ち着いて新聞を見ていた。とはいえ、内容は頭に入ってこない。

飛行機に乗る時に新聞か雑誌を選ぶのだが、アキの手前、教養をアピールしようと新聞を選んだことを後悔した。

書いてあることが難しすぎるのだ。

どこかで法律ができた、どこかで条約が結ばれた、どこかで……いまのユウカにはほとんど関係のないことばかりだ。

(これなら、飛行機乗る前にゴシップ雑誌でも買ってくるんだった)

新聞を読むふりにも飽きて、ユウカは新聞を脇に置いて、外を眺めた。

飛行機は雲の上に出て、目の前には遥かな雲海が広がっている。

これから始まる旅の予感に小さな胸が高鳴ってくる。

雲海の切れ目に陸地が見えた。

おそらく瀬戸内海だろう。あのいくつもある小島の中に小豆島があるんだろうか。

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結婚できない2.0〜百鳥ユウカの婚活日記〜

菅沙絵

友人たちが彼女につけたあだ名は「レジェンド・ユウカ」。結婚市場に残された最後の掘り出し物という意味だと説明されたが、たぶん揶揄する意味もある。妥協を知らない彼女が最後にどんな男と結婚をするのか、既婚の友人たちは全員興味深げにユウカさん...もっと読む

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