第1回 狼男とカモのお話

世の中にはおいしい話があるといいます。私だけが教えてもらった〝絶対に儲かる話〟。でも、果たして本当にそんなうまい話はあるのでしょうか。力強く頷いたあなたはもしかしたら金融機関の営業マンのカモになっているのかも――。(『いきいき』2012年1月号より転載)

狼男を責めても仕方ありません!

どうか怒らないでほしいのですが、これから私は、みなさんが金融機関にとってのカモである、という話をしたいと思います。第一回のテーマは、月の光に照らされるとオオカミに変わるからといって、狼男を責めても仕方がない、というお話です。

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株式や投資信託などの金融商品が食品(イチゴ)や家電製品(テレビ)といちばんちがうのは、“かたちがない”ということです。

イチゴなら、八百屋の店頭で大きさや色つや、産地などを見ればだいたいの良し悪しは判断できます。おいしいかどうかも、食べてみれば誰でもわかります。家電量販店に行けばたくさんの液晶テレビが並んでいて、価格や大きさ、映り具合を比較できます。専門雑誌の評価や、インターネットの評判を調べたり、店員にアドバイスを求めたりするひともいるでしょう。「テレビを買って後悔した」というひとがあまりいないのは、事前にちゃんと調べればそのとおりの商品が手に入って、納得感があるからです。

それに対して、かたちのない金融商品では、こうした「買い物の常識」がまったく通用しません。だれもが戸惑うのは、金融商品は「損する」ことがある、ということでしょう。そもそも買い物というのは得をすると思うからこそ成り立つわけで、「損をしたのに文句を言えない」というのはとてつもなく理不尽な体験です。

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カモにならずに自分のお金を増やす方法

橘玲

人気作家・橘玲さんが、独自の視点で金融市場、マネーのカラクリを解き明かす連載です。クールにお金について考えるための最適なレッスンとなるでしょう。

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コメント

monzetsu0 @imahozu https://t.co/6Lw3fELuSt 5年弱前 replyretweetfavorite

ryoma2013_ 第一回 狼男とカモのお話|橘玲| 5年以上前 replyretweetfavorite