泥沼のような自己否定から「仕事が楽しい!」と思えるようになったわけ

周りに比べて自分だけうまく仕事できず、自己否定に陥ってしまう、そんな経験をされたことはないでしょうか。10年間、山小屋で働いていた吉玉サキさんも、山小屋で勤め始めた当初、業務をうまくこなせず、泥沼のような自己否定に陥っていました。しかし、あることをきっかけに自己否定の沼を脱出し、自己肯定感を取り戻していったようです。

今までさんざん「山小屋の仕事は楽しい」と書いてきた。

だけど、それは10年間をざっくり総括しての感想だ。もっと細かく振り返ると、仕事が楽しいと感じられるまでには3年かかったし、「楽しさ」の質も少しずつ変化している。

特に2、3年目は自分のポンコツさに思い悩み、泥沼のような自己否定に陥っていた。

では、どうやってその泥沼から脱したのか?

それは、「みんなそれぞれ得意・不得意がある」という、当たり前すぎる事実に気づいたからだ。


料理ができなくて自己否定に陥った

子どもの頃から、人より秀でていることがない代わりに、だいたいのことは人並みにできた。「メンタルが弱い」という最大の弱点以外は平均的だ。

それは山小屋の仕事でも同じ。1年目の私は、与えられた業務をそつなくこなした。

当時の自己評価は「すごく仕事ができるわけではないけど、特別ポンコツでもない」というもの。たぶん、周りからもそう思われていただろう。

しかし、2年目で雲行きが変わった。

実は、私は1年目と2年目で配属先の山小屋が変わっている。1年目は大きな山小屋だったので、業務は部署ごとに分かれていた。私はフロントだ。

けれど、2年目以降に働いた山小屋は小規模で部署がない。女性スタッフは全員、厨房業務が主体だ。

そうなってはじめて、私は自分のポンコツさを思い知った。私は、料理がものすごく苦手だったのだ。

手際が悪くて人の何倍も時間がかかるし、基礎知識もない。それまでの人生であまり料理をしてこなかったので、「自分は料理が下手」という事実に気づかずにきてしまった。

厨房業務をうまくこなせない私は、「自分は仕事ができないダメなやつだ……」と自己否定に陥った。

周りのスタッフたちからそう言われたわけではない。だけど、私が抜きん出て仕事ができないのはあきらかだ。

それなら料理を学べばいい、と思うかもしれない。うん、今なら私もそう思う。

けれど、当時の私は自己否定するばかりで、苦手を克服するための努力や工夫をしなかった。

それまで何でも「普通」だった私は、はじめて「普通以下」になったショックで落ち込んだ。そして、失敗しないようにビクビク仕事する毎日に疲れ切っていた。

2年目、3年目はそんな調子で過ごした。

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小屋ガール通信

吉玉サキ

第2回cakesクリエイターコンテスト受賞作! 新卒で入った会社を数ヶ月で辞めてニート状態になり、自分のことを「社会不適合者」と思っていた23歳の女性が向かった新天地は山小屋のアルバイト。それまで一度も本格的な登山をしたことのなかった...もっと読む

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コメント

etozudeyoshida 📷 https://t.co/0yOMrCCaph https://t.co/epZoyEZk3O 4ヶ月前 replyretweetfavorite

alchmistonpuku よく自分はポンコツだと落ち込んでしまうので、こういう解決の仕方は素晴らしいなとおもいますた 4ヶ月前 replyretweetfavorite