日本では自民党の平沢勝栄衆議院議員が山梨県での集会で「少子化問題」に触れ、「LGBTで〜」と同性婚を持ち出し、「この人たちばかりになったら国がつぶれちゃうんですよ」と発言して話題になっている。選択的夫婦別姓についても安倍首相は「家族の解体を意味する」と反対しているが、日本の保守の人たちは現状の改善を求める声が出てくるたび、「日本の伝統」を持ち出して反対する傾向がある。
「伝統」を持ち出して「多様化」や「変化」を悪者にするのは、アメリカの保守も同じだ。彼らは、移民や男女同権などで「古き良きアメリカの伝統」が脅かされることを社会問題にしている。
つい最近も、保守系テレビ局の司会者タッカー・カールソンが自分の番組で「女が男よりも高収入になると、ドラッグやアルコール依存症が増加する」と主張した。「製造業の雇用は伝統的に男中心だが、重工業が衰退した場所では男が職を失い、学校や病院という女の従業員がもともと多い業種の収入のほうが良くなった。収入が多い女は自分より収入が低い男と結婚したがらない。そこで、結婚率が下がり、未婚の母が増え、ドラッグやアルコール依存症が増え、犯罪で牢獄に入れられる男性が増え、次世代に続く家族が崩壊した」という説だ。カールソンは、12月に「移民がアメリカを汚くする」と発言して、多くの番組スポンサーを失ったばかりだった。
日米の保守的な人たちが必死に守ろうとしている「伝統」とは、それほど貴重なものなのだろうか?
伝統的なクリスマスにこだわる気持ちもわかるけれど…
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