わかる日本書紀① 神々と英雄の時代

初対面の姉弟は、上手な喧嘩の仕方もわからない【神代③】

ややこしい日本書紀をわかりやすく紹介した『わかる日本書紀① 神々と英雄の時代』から、日本の正史を学ぶ連載。

アマテラスとスサノオの祈誓(うけい)②

前回のおさらい】
「私はもとから邪心はありません。父母からの厳しい命令で永久に根の国に参ります。姉上に一目も会わないまま去ることなどできないと思い、雲や霧を踏み渡って遥々参りました。姉上がそんな恐い顔をしてお怒りとは夢にも思いませんでしたよ」
「そう言うなら、どうやって潔白を証明するつもりか」
「ではお願いします。姉上と祈誓(うけい)をしましょう。そして祈誓の中で必ず子を生むことにしましょう。もしも、私の生む子が女なら邪心がある。男なら潔白としましょう」

そこでまず、アマテラスがスサノオの十握剣(とつかのつるぎ)※1をもらい受け三つにうち折って、天真名井(あめのまない)※2ですすいで、ガリガリと噛みに噛んで、吹き出す息の狭霧(さぎり)に生まれた神は、名付けて、タコリヒメ(田心姫)、次にタギツヒメ(湍津姫)、次にイチキシマヒメ(市杵島姫)。合わせて三柱(みはしら)の女神でした。

そこで今度はスサノオが、アマテラスの髻(みずら)・鬘(かずら)や腕に巻いている五百箇御統(いおつみすまる)の飾りをもらって天真名井ですすいでガリガリと噛みに噛んで、吹き出す息の狭霧に生まれた神は、名付けてマサカアカツカチハヤヒアマノオシホミミ(正哉吾勝勝速日天忍穂耳尊/まさかあかつかちはやひあまのおしほみみのみこと)。次にアマノホヒ(天穂日命/あまのほひのみこと)。次にアマツヒコネ(天津彦根命/あまつひこねのみこと)。次にイクツヒコネ(活津彦根命/いくつひこねのみこと)、次にクマノノクスヒ(熊野櫲樟日命/くまののくすひのみこと)。合わせて五柱(いつはしら)の男神です。

このとき、アマテラスは、
「子の生まれるもとになった五百箇御統の飾りはもともと私のものだから、この五柱の男神は私の子である」
と言って直ちに引き取って養育しました。また、
「十握剣はスサノオのものだから、この三柱の女神はお前の子である」
と、そのままスサノオに授けました。これが筑紫の胸肩君(むなかたのきみ)※3らの祭る神なのです。

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日本のはじまりを知る一冊。

マンガ遊訳 日本を読もう わかる日本書紀1 神々と英雄の時代

村上 ナッツ,村田 右富実,つだ ゆみ
西日本出版社
2018-12-18

この連載について

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わかる日本書紀① 神々と英雄の時代

村田右富実 /つだゆみ /村上ナッツ

『日本書紀』は神代から第41代持統天皇の時代までを扱った日本最古の歴史書です。しかし本文は漢文、全30巻と長く読解は難しいため、正史ながら読んだことのある人はほぼいません。そこで、劇作家が書くわかりやすい文章と、親しみやすいキャラクタ...もっと読む

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