時間が足らない。ウケるほど足らない。
先日、音楽誌から「2018年ベストアルバム10作品選べ」という原稿の依頼がきて「あっ今年10枚選べるほど音楽聴いてない!」と年の瀬に愕然としてしまった。だっておれ14歳のときにoasis聴いて以来ずっと音楽とはマブの関係を続けていたつもりだったし、交友関係から仕事まであいつから繋げてもらってて、自分のアイデンティティとイコールみたいになれてたのに! 今年! 音楽を聴いてすらいなかったなんて!
そんな調子で、2018年は毎日がスペシャルすぎた。年明け早々に胎動を知らせ、5月に爆誕した子供に多大な時間を投じていたのだ。この連載を通じてエッセイ16回分、およそ5万字も書いていられるくらいだから自分では相当なものだと思う。おお、お子よ! おお、育児よ!
話題の我が子は先日7ヶ月検診も余裕で健康認定されるなどマイペースによろしくやってる。おなかを床につけたままのハイハイ=ずり這いというのを覚えてからはもう慌ただしくて仕方なくって、目を離せばカーテンまで向かって思いきり引っ張ってみたり、リビングの柱にすり寄っちゃカドに貼ってるクッションをはがして口に入れたりとやりたい放題だ。
「我々夫婦に宿る大量の好奇心を、しっかり継いでくれているね」という意味ではすごく頼もしい。粉ミルクを飲まないおかげで(主に妻とその乳が)大変だけれど、両親である我々の生活が安定してればそれもまたにこやかと見守っていられよう。
あ、夫婦のほうも元気でやってるっス。育児だ生活だ両立だと大変だった我々もエクセルに日々の生活タスクをまとめ、ひとつひとつ棚卸ししたことと、その中で互いがそれぞれ大変にやってるということを話し合ったことで互いへの理解度が増したと思う。
そもそも子供をふたりで効率よく育てることこそが自分たちがうまくやる近道だと気付きはじめてきた。だから平日は私が帰宅したら即お子を風呂へ沈め、体を拭きながら妻を呼んでオムツとパジャマをパッパと着せ、そのまま妻にパスして保湿と乳やり、そしてベッドに。そんなルーティーンを経て、終わったらベビーモニターで寝る子を眺めながら飯を食う。子供が寝たあとはおれらだけの時間や!というわけだ。
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