女35歳独身さん、寂しさをお認めになる。

沖縄行きの前夜。ソファで横になって描く未来予想図。自分の身の回りを整理していて、出てきた感情は……。意外にも明るいものだった。

時刻は夜11時。

ユウカは翌早朝の4時に起きることにして、ソファーで横になることにした。

アキは、シャワーを浴びると言って、リビングから自分の寝室へと戻っていった。 今日は一緒に寝ることはせずに、別々で寝ることになるだろう。

部屋の明かりは小さいランプだけにして、テレビをつけっぱなしにしてある。 テレビをつけておくのは深く寝いらないためで、薄らぼんやりと動く画面を眺めていた。 ここが関西圏だからだろうか、こんな夜中でも演芸番組の録画放送が行われていた。

ベテラン漫才師の丁々発止のやりとりが観客の笑いを誘っていた。

不安になる気持ち、出発前のはやる気持ちとは、真逆の安定してリラックスした演芸場の空気が伝わってくる。 ユウカも横になりながら、いつしか彼らの芸に夢中になって笑ってしまっていた。

「漫才がうまい人たちって、毎日練習してるのかな? 思い付きで話してるように見えるのにすごいよね」

シャワーを浴びたアキが二階の寝室から降りてきて、ソファにいるユウカに声をかける。

「明日は早いから、もし、私が起きなかったら、起こしに来てね」

ネグリジェ姿のアキは、それだけ伝えると、鼻歌とともに寝室に消えた。

ユウカは漫才を見終えると、テレビは音だけ消して、ソファで仮眠をとることにした。

アキの家のソファはちょうどいい反発力でユウカの身体を支えてくれていた。毛布があれば、柔らかいベッドとほとんど同じだ。

ユウカは昨日のことを考えるとまだ眠れないでいた。

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結婚できない2.0〜百鳥ユウカの婚活日記〜

菅沙絵

友人たちが彼女につけたあだ名は「レジェンド・ユウカ」。結婚市場に残された最後の掘り出し物という意味だと説明されたが、たぶん揶揄する意味もある。妥協を知らない彼女が最後にどんな男と結婚をするのか、既婚の友人たちは全員興味深げにユウカさん...もっと読む

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