アナ雪』に学ぶ、子供の長所を育てる方法

2014年に公開され、大ヒットしたディズニー映画『アナと雪の女王』、通称『アナ雪』。劇中歌やビジュアルに注目が集まりがちですが、育児視点でも学ぶところの多い作品です。エルサはなぜ魔法を制御できず孤独を抱えてしまったのか。『アナ雪』から親が子供に教えなくてはいけないこと、「個性」への向き合い方を考えます。

『アナ雪』の舞台のモデルといわれるノルウェーのロフォーテン諸島(Photo:Francesco Ricca Iacomino/Thinkstock

2歳の娘が、ディズニー映画『アナと雪の女王』に夢中だ。

もはやテレビはこれしか観ないし、階段と登り坂を駆け上がる際には「♪ありにょ~ままにょ~!」と大ヒット曲を歌わずにはいられない体質になってしまった。

本作のブーム中には観る機会がなかったのだが、毎日のように娘に付き合って眺めているので、育児視点のレビューを書いてみたい。
※以下は作品のネタバレを含みます。


舞台は夏のアレンデール王国

主人公は、王家に生まれた、エルサとアナ、2人の姉妹。
姉のエルサは生まれながらに雪と氷を作りだす魔法の力を持っていて、3歳差の姉妹はとても仲睦まじく幼少期を過ごしていた。

しかしある日、遊んでいる最中に誤ってエルサの魔法がアナの頭にぶつかり、アナは全身が凍りかけて命の危機に。トロールの力でアナは助かるが、魔法に関する記憶を失ってしまう。
両親はエルサを守るため、人々の目から隠して生活させ、姉妹の交流も途絶えることに。

物語はこうした姉妹の過去からはじまり、両親が海難事故で亡くなって、成人したエルサが女王となるべく、戴冠式を迎える「現在」までが駆け足で描写されている。

21歳のエルサは美しい女王に成長しているが、長年魔法の秘密をひとりで抱え、ひきこもり生活を送っていたために、臆病で神経質な性格であり、対して妹のアナは、エルサと同じく13年にわたる閉鎖空間での暮らしがあったはずだが、明るく社交的な娘に育っている。

この2人の対比があるからこそ、ストーリーはすすむのだが、育児中の身としては、本編には多く登場しない「両親の影響」がメタメタに表れてしまっているような気がして、なんとも身につまされる作品だった。

エルサとアナ。ディズニー作品史上初の「ダブルヒロイン」が採用された理由は、どこにあったのだろうか。


その個性の「名前」は何か

夏を冬に変えてしまうほどの魔法の力をコントロールできないことで、エルサは孤独なわけだけど、幼い頃はきちんと制御できていたのだ。

アナも自分にはない魔力を持った姉をごく当然に受け入れていて、2人の遊びや日常に、雪と氷の魔法は、楽しいものとして、プラスの根付きをしていた。
歌がうまい、足が速い、などの個性と同じように。

しかし、たった1回マイナスの結果が生まれただけで、魔法は「危険な力」だと定義され、人に知られてはならない、とても良くないものだ、という認識になった。

姉妹を愛し、その身を案じた両親こそが、エルサの個性に「短所」の烙印を押してしまったのだ。

こんな力のある自分はダメ、自分のせいでお城は閉ざされ妹も悲しい思いをしている、力をコントロールできるようにならなくちゃ、でもどうやって…?
自己肯定感は、ズタズタだ。

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瀧波和賀

「現代の子育て」をとりまく、問題や課題、そして幸福に注目して、その構造や育児現場のリアルについて、コラムとエッセイを連載します。子供がいる毎日は、なんとにぎやかで、ごちゃごちゃで、カラフルなことでしょう。1つ1つが大切で、特別で、でも...もっと読む

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コメント

irasally 考える https://t.co/qhsekV9iOO 16日前 replyretweetfavorite

harumadokin https://t.co/euCrNGQh28 17日前 replyretweetfavorite

ayu5304 ほんと、そう。今のままの私では、長女に負の魔法をかけてしまっている😭 17日前 replyretweetfavorite

woxihuanmikan https://t.co/Ar0sCEH3LZ よき。 18日前 replyretweetfavorite