成長段階での鉄不足は、発育の遅れとして現れる

育児の大変さがマックスになる時期に、さらに大変な思いをして離乳食を作ることはありません。
栄養バランスや衛生面が優れた市販の離乳食をうまく使えば、赤ちゃんの健康・発達によいうえに、ママに時間の余裕ができます!
新刊『小児科医のママが教える 離乳食は作らなくてもいいです。』より掲載。毎週水・土に配信。

◎成長段階での鉄不足は、
 補充されても成長後に発育の遅れとして現れる


そこでおすすめなのが、鉄が含まれる市販の離乳食を使うことです。

そうした離乳食には大きく分けて2種類あります

・赤身の肉類、レバー、マグロやカツオを使った離乳食
 日本の離乳食に多い、対象が9カ月以降になっている

・鉄剤を添加した離乳食
 海外の離乳食に多い、対象は4カ月以降になっているものもある

一つめの、鉄が多く含まれる食材を使用している市販の離乳食は、
衛生面も問題なく、また管理栄養士の方が考えているため、
子どもが食べやすいような味付け、形状にしてあります。

そして、これは日本の市販の離乳食の場合ですが、
「鉄不足に注意するのは 9カ月以降」という方針が国によってなされているため、
残念なことに対象が9カ月以降になっています。

しかし、生後6カ月頃には貯蔵鉄をほぼ使い切っている状態ですし、
9カ月頃には鉄の蓄えはすっからかんで、
なかにはすでに鉄が欠乏状態の子どももいるのです。

9~10カ月健診の際の診察で、顔が青白いことから
鉄欠乏性貧血に気がつくこともあります。

しかしこの状態から鉄を補充し始めても、鉄はなかなか増えません。

鉄を積極的に摂取しても、満足に補充されるまでには3カ月ほどかかります。
そうなると、子どもの発達にとても重要である時期の6カ月から1歳まで、
鉄が不足した状態で過ごさないといけなくなります。

これはじつは大変なことで、
日本ではなぜ「鉄不足に気をつけるのは9カ月以降」となっているのか、
私にはわかりません。

海外では以前から鉄摂取の重大性が知られていて、
積極的に鉄を摂るよう指導をしています。

鉄の摂取が子どもの発達に欠かせないという研究結果が、
すでにたくさん報告されているからでしょう。

離乳食開始から鉄を含むものを食べさせましょうという指導は各国でされており、
生後9カ月まで鉄の指導をしていない国は、日本だけと言っても過言ではありません。

すっからかんの状態から補充しても遅いのです。

鉄不足の恐ろしいところは、成長発達に欠かせない時期に鉄が欠乏状態にあることで、
その後、鉄欠乏が解消されても、大きくなったときに
学習能力や言葉の発達、運動機能の発達が遅れることがあるという点です。

でも、日本の離乳食指導では「9カ月以降」になっているし、市販品もない、
という問題点があります。

なので、今の私たちにできる手段は、
「9カ月以降を対象とした製品でも、子どもが食べられるなら食べさせる」
もしくは「鉄が添加されている海外の離乳食を使用する」ということです。

形がゆるめで食べやすく作られている市販品に、
森永の「大満足ごはん おすすめ!お肉お魚メニュー」と
「大満足ごはん おすすめ!お野菜メニュー」のシリーズがあります。

これを一食食べれば、1日に必要な鉄分の3分の1を摂取することができます。
加えてカルシウムも含まれているので、成長にはバッチリです。

形もゆるめに作られているので、表示は「9カ月頃から」となっていますが、
7カ月頃の子でも食べられるかもしれません。


◎鉄剤が添加されている海外の離乳食を
 上手に活用しよう


鉄が添加されている海外の離乳食についてもお話ししておきましょう。

離乳食を始めるとき、最初はまず、おかゆですよね。

それは日本だけでなく、 海外の多くの国でもそうなのですが、
その理由は、お米はアレルギーを起こしにくいと考えられているからです。

海外でよく見られる「おかゆ」は、お米を炊いたものではなく、
お米を粉状にしたもので、「rice cereal」(シリアル)と表記されています。

また、お米だけでなく、雑穀米を使用したもの(multigrain cereal)や、
むぎ(oat mealcereal)を使用しているものもあります。

そして鉄だけでなく、脳の発達や記憶力・集中力を高めるうえで重要なDHAや、
腸内環境を整えるプロバ イオティクスが含まれているものまであります。

代表的なものに、アメリカなどでよ く食べられている「シリアル」があります。
「cereal」「babyfood」で検索すると、いろいろ売られています。

▲海外のシリアルGerber社「DHA & Probiotic Rice single」

シリアルの使い方はいたって簡単で、
粉状のシリアルに母乳かそのとき使っているミルクを足して、混ぜるだけです。

1回量g( mℓくらい)で1日に必要な鉄分の45%を摂取することができます。
2回あげれば、1日に必要な鉄がほぼ満たされます。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

小児科医のママが教える、ママも子どもも笑顔になれる育児革命本!

この連載について

初回を読む
離乳食は作らなくてもいいんです。

工藤紀子

育児の大変さがマックスになる時期に、さらに大変な思いをして離乳食を作ることはありません。 栄養バランスや衛生面が優れた市販の離乳食をうまく使えば、赤ちゃんの健康・発達によいうえに、ママに時間の余裕ができます! ...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

kai_may このライスシリアル?いいかも〜。お粥作るの大変だし鉄分もとれるなら尚更。娘さんのときに知りたかったなぁ… → 5ヶ月前 replyretweetfavorite