懸念される「ワーク・アイコ・ライフ・バランス」
この連載の担当編集者がとにかく熱烈なaikoファンで、定期的にaikoの魅力について聞くインタビューを行ってきた。今回で4回目となるが、「もう飽きたよ」と感じている読者の方も少なくないはず。ただ伝えておきたいのは、あなたより私のほうが飽きている、ということ。毎年、その年の最終回でaikoへの想いを聞き取ることにしたのだが、わざわざ電車を乗り継ぎ、外苑前にある新しいオフィスにお邪魔しているこちらは、読者の皆さんより、もうこのネタに飽きているのである。でも、やると決めたからにはやるのだ。昨年、結婚した編集者は、「ワーク・アイコ・ライフ・バランス」が心配だと言っていた。その後、どうなったのだろう。
なぜ、あいみょんの前にaikoなのか
今年の紅白歌合戦、aikoは、2013年以来の出場を果たす。2014年、落選が決まると、Twitterで「紅白落選した ちっきしょ——!!!」と素直に悔しがったaiko。「落選」と報じられるのを避けるために、紅白を卒業するとあらかじめ発表し、「ベストな形でお別れが出来た」とのコメントを出した浜崎あゆみと比較され、その悔しがる様子に賛同の声が集まった……というような前フリをしている時から、編集者はニヤニヤしている。紅白出場がよほど嬉しいようなのだ。まずは雑な質問を投げて、冷水を浴びせる必要があるだろう。
武田「aikoが出ていなければ、あいみょんが50音順の先頭でした。なぜaikoなのでしょう」
編集者「50音順に絡めて論じるべきことがあるとすれば、『なぜ、あいみょんの前にaikoか』ではありません。『なぜ、AIではなくaikoだったか』、こちらに絞りたい。近年のAIに付着しているスポンサー臭というのか、急速に高まってきたポジティブオーラは非常に危険なのではないでしょうか。コカ・コーラ社が開発した人工知能という可能性も拭えなくなった以上、NHKが選考するとは思えない」
武田「なぜ、あいみょんの前にaikoなのか、の答えになっていません。なぜなのでしょう。答えてください」
編集者「今年出た『ストロー』というシングル曲は、結婚生活を思わせる曲です。ご覧になったかと思いますが、PVもそのような作りになっていますね。aikoといえば、恋愛の歌、とくにストーカー気質な歌詞が多かったわけですが、一歩進んだ世界を描いたことに成熟を感じたわけです」
そう、このディスコミュニケーションこそ彼の真骨頂である。
「わかってたと思うんですよ、aikoは」
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