報いは想像を超えている

伝説の棋士から一転、愛くるしい癒しキャラの「ひふみん」として芸能界でバツグンの存在感を放つ加藤一二三氏。どんな場面でも前向きに生きる姿勢の根本には、いったい何があるのでしょうか。 著書『幸福の一手 いつもよろこびはすぐそばに』から、よりすぐりのエピソードを特別公開します。 最終回の第6回は、努力の報われ方について。

 私は18歳のとき、プロ棋士としては最高峰の「A級」に昇級します。

 これは史上最年少記録で、今も世界中の誰にも破られていません。この快挙のおかげで、私は「神武以来の天才」という異名を冠することになります。

 ところが面白いのはその後です。A級からなんと5回落ち、5回カムバックするという〝乱高下〞をくり返しています。

 その時期の心境については、「心が折れませんでしたか?」などと、今でもよく尋ねられます。 答えは「ノー」。「家族のバックアップも受け、最大限に努力をした結果なのだから、まったく悲観すべきことはない」と、常に冷静に受け止めていました。


思い通りに報われるとは限らない

 そもそも私は「最善を尽くしたから、必ず報われる」とは、思っていません。

「最善を尽くしていても、自分の思いどおりに報われないことはある」

 そんな思いが根っこにあるので、期待も落胆もありません。どんな結果が出ても、それが「神様の思し召しなのだ」と謙虚に受け入れてきました。

 とはいえ「最善を尽くすこと」を続けていると、その努力の〝貯金〞が、思わぬところで花開くことがあります。つまり「目先の対局のための努力」が、違う対戦相手との対局で役立ったり、異業種の仕事をするときに活きたりするのです。

 それはまったく予想ができない人生の流れですし、自分でも不思議なものに感じます。 しかしありがたいことに変わりはありません。

 だから、私は結果にとらわれすぎず、こだわりすぎず、常に「最善を尽くすこと」をよしとしています。


努力は「ゼロ」では終わらない

 未来に訪れる〝結果〞なんて、くじ引きのようなもの。どんなお恵みがあるのか、考えすぎても意味はありません。神様だけがご存じであればよいのです。

 もしかして、あなたにも「最善を尽くしても報われなかった」という経験が過去にあるかもしれません。

 そんなときは「別の形で報われることもある」と自分に言い聞かせてみてください。

 そして、悲観や絶望をうまく遠ざけるようにしてください。

 神様は、あなたがそんな苦しい状態に置かれることを、決して望んではおられません。

 簡単にいうと、「努力」というものは絶対に、ゼロでは終わりません。 最善を尽くしてがんばっていることが「どのような形でも報われない」というのは、神様から見ると「矛盾した状態」だからです。


神様は必ず返事をくれる

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幸福の一手 いつもよろこびはすぐそばに

加藤一二三

「大丈夫、あなたの幸せは、用意されているから」 伝説の棋士から一転、愛くるしい癒しキャラの「ひふみん」としてバツグンの存在感を放つ加藤一二三氏。どんな場面でも、笑みを絶やさず、前向きに生きる姿勢の根本には、ゆるぎない信仰がありました...もっと読む

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コメント

zeruzeru_dq10 煽りでもなんでなく、廃さんがあんまりキャラを作ってないのであれば、彼にこそ読んでほしい。 10ヶ月前 replyretweetfavorite

hifumikato 連載第6回目 『』 |加藤一二三 @hifumikato | 10ヶ月前 replyretweetfavorite

hifumikato 努力は定期預金のようなもの。 満期になったとき、必ず貴方を助けてくれるのです。… https://t.co/RH8jaBWRqp 10ヶ月前 replyretweetfavorite

Grow_kobetu これは本当にそうだと思う。 人生にまつわる全ての事が今すぐに目に見えて望んだ結果になるわけじゃ無いが、一生懸命に努力した事が無駄になる事は決して無い。 11ヶ月前 replyretweetfavorite