思わず子どもに手をあげてしまったのは 離乳食の時期だった

育児の大変さがマックスになる時期に、さらに大変な思いをして離乳食を作ることはありません。
栄養バランスや衛生面が優れた市販の離乳食をうまく使えば、赤ちゃんの健康・発達によいうえに、ママに時間の余裕ができます!
1月中旬発売予定の書籍『小児科医のママが教える 離乳食は作らなくてもいいです。』より掲載。毎週水・土に配信。

「あなたは小児科のお医者さんだから、育児になんの心配もないでしょう?」 とよく言われますが、
全然そんなことありません。

私も多くのお母さんと同じように、はじめて離乳食に取り組んだときは悩み苦しみました。

「毎日きちんと栄養満点の離乳食を作って食べさせなければいけない」
という常識にとらわれ責任感にかられ、思うようにいかないことがあるたびに、それはそれはイライラしていたのです。

ある日のことです。

娘はいつものように離乳食を投げたり、つぶしたり、吐きだしたりして、娘自身も服もひどく汚れてしまいました。

もうこれはお風呂 に入れて洗うしかない、と服を脱がそうとしても、ぐずってばかり。
服の間から食べ物がボロボロとこぼれ、あたりに散らかります。

あんなに一生懸命作ったのに、全然食べない!
掃除も片付けも増えて本当に大変!

突然プチーンと私の中で何かが切れて、
「いったい何がいやなのよ ?! 」と叫び、

ぱ ち—ん!

と娘のおしりたたいてしまいました。

「うわああああああーん !! 」

お風呂場に広がる娘の泣き声。

しかし私は泣き叫ぶ娘を抱きしめるわけでもなく、お風呂場の鏡に映る小さなお尻に残った赤い手のあとと、ボサボサ頭ですっぴんの情けない自分の姿をぼーっと眺め、「いったい何が起こったんだ」としばし呆然ぼうぜんとしていました。

何分か経ち、このままではいけないと気づいた私は、罪悪感ざいあくかんと情けない気持ちでいっぱいになり、「ごめんね。ごめんね」とホロホロ泣きながら、やはり泣き叫び続けている娘をやっと抱きしめました。

私は子どもを授かる前は、虐待ぎゃくたいなんて絶対してはいけない、ありえないと思っていました。
子どもを叩くなんて親失格だと思っていました。

しかし叩いてしまったのです。
まさか自分にこんなことが起こるなんて!
言葉の理解もままならない愛すべきわが子に声を荒立てて怒るなんて!

なんてことでしょう。
あのときのつらく苦しい気持ちは、今もありありとよみがえってきます。
相当疲弊ひへいしていたんだと思います。

でもあんな思いは誰にもしてほしくない。

子どもは泣きます。
でも本当に泣きたいのはママたちなのです。

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この連載について

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離乳食は作らなくてもいいんです。

工藤紀子

育児の大変さがマックスになる時期に、さらに大変な思いをして離乳食を作ることはありません。 栄養バランスや衛生面が優れた市販の離乳食をうまく使えば、赤ちゃんの健康・発達によいうえに、ママに時間の余裕ができます! ...もっと読む

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