ブスの重要な作業「プロダクト解析」

北千住の満たされた税理士・田村麻美が、いよいよ小学生になり、人生最大の「気づき」を得る。その「気づき」から導き出した、マーケティング上、非常に重要な作業とは何か!

生まれたときからブスだった

1984年3月26日夜8時にブスの申し子が生まれた。私のことである。

頭と顔がデカすぎる赤ちゃんであった。

私は逆子で生まれた。いまでこそ逆子の出産は帝王切開が主流のようだが、私の母親は普通分娩で産んだというからすごい。

足からこの世に生まれた田村麻美。


いい髪の毛が生えますようにと願った母親は、生まれてすぐに私を坊主頭にしたそうだ。こうして、多量剛毛の女ができあがった。

すでに書いた通り、頭がでかい人間である。頭の面積が広いので、通常の方の2倍くらい毛量がある。  現在お世話になっている美容師さんは、初来店したとき、

「やばい……、私の手には負えないかもしれない……」  

と思ったらしい。それからありとあらゆるテクニックを駆使しておさまる髪型に着地してくださった。  いまでは来店するたびに「はじめて来たときはどうしようかと思った。それがこの髪質になった」と自分の技量を自画自賛し、ドヤ顔をされる。

生まれてからいままで、このひどい髪といっしょに生きてきた私を毎回、遠まわしに全否定してくれるので、一周まわって気持ちがいい。

 お育ちのいいブス

4歳になって、幼稚園に入園した。

母親は、私のチャームポイントである、でかすぎる頭をより際立たせたかったのか、私をショートカットにした。

そもそも、母親は美的センスがイマイチである。両親にとってはじめての子であった私。母親は視力も悪いのだと思うのだが、さらにフィルターが何重にもかかった目で私を見ていたのであろう、「かわいい、かわいい」と言って育ててくれた。

だから、私も自分のことをかわいいと思っていた。

そのせいでブスであることに気がつけなかった。

しかし、振り返ってみると親に「かわいい」と言われ続けた私は、子どもとして幸せだし、お育ちのいいブスともいえる。

したつんがと著者。自分のことをかわいいと思っていたおめでたい時代。

やっと気づいた「私はブス」

蝶よ花よと育てられ、自分のことをかわいいと信じ込み、自己肯定感100%だった。

そんなお育ちのいいブスの私も小学生になる。

小1でひとつの事実に直面した。

黄色の通学帽子だ。

小1の子がかぶるあの黄色の通学帽子なのだが、定型サイズが入らなかったのだ。

ここで私は、はじめて自分の頭がでかいことに気づいた。

さらに顔がでかいことにも気づいた。集合写真を見て、顔がみんなより明らかに大きいことにショックを隠し切れなかった。

人間というものは、ひとつ気がつくと、そこからいろいろなことが気になってしまう。

顔と頭がでかいことを認識したあと、ありとあらゆる自分のコンプレックスに目がいくようになった。

指の太さ。太すぎて、結婚指輪が入らないんじゃないか。

鼻の低さ。正面なのか横顔なのか、見分けがつかないんじゃないか。

毛深さ。ゴリラと間違われてしまうんじゃないか。

眉毛の太さ。毎晩ピンセットで抜かなくてはいけないんじゃないか。

となりの友だちと比べて、1.8倍の顔のデカさを誇る田村麻美。

「私は通常ではない=人より容姿が劣るのだろうか」

という疑念を持ち、検証をはじめた。

まわりの女友だちとの比較はもちろん、メディアでの広い比較を試みた。

父がテレビ大好き人間だったので私もよくテレビを見ていた。ドラマやバラエティ。そこに出ているきれいな女優さん、アイドル、タレントさん。

母親は変わらず私のことを「かわいいかわいい」と言っていたが、どう考えても月曜の夜9時、OLが街から消えたことで有名なドラマ「東京ラブストーリー」の主人公・赤名リカより、顔がでかい、鼻は低い、目が小さいではないか。

私は、はっきり気づいてしまった。

そうか、これがブスというやつか。私、ブスなんだ、と。

さらに、小学校の同級生の男の子にこんなことを言われた。

「お前、ほんとに鼻低いな」

ちょっと気になっていた男の子だったゆえに、そして自分でも気づいていた鼻の低さを指摘されたことにより、ショックでお先真っ暗になった。

私はこのとき異性に対する恋愛感情を持ってはいけないと思った。

小学校6年間は、なんとなく女友だちとスーファミの「ドンキーコング」を攻略することしか楽しみがなかった気がする。

しかし、あとから振り返ると、人生のなかでいちばん重要な気づきがあった小学生時代だった。  その気づきとは……

自分がブスであるということだ。

横から見るとよくわかる鼻の低さ。

ブスの 作業 1  集合写真の自分を見よう

さて、ここからは、読者の方が手を動かすパートである。

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ブスのマーケティング戦略

田村麻美

税理士、大学院生、一児の母、そしてブスである田村麻美さんによる、「ブスが幸せな結婚&ビジネスでの成功」をかなえるための戦略論。誕生から、受験、処女喪失、資格取得、就職(即退職)、結婚・起業するまでの物語を赤裸々に記した半生記と、結婚・...もっと読む

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