「本当のお金持ち」を目指して——2010年、38歳、お金のために働くことからの卒業
私はかつて借金が500万円以上あった。しかし、その後の10年間で資産を1億円にまで増やすことに成功した。今ではお金に困ることはまったくない。お金のために働くステージはとっくに卒業している。 「そんなことが可能なのか?」と思われたかもしれない。 心配は無用。可能だ。
この連載では、私がドン底だった時代にどんな本を読み、そこからどんな知恵を授かり、どう行動し、その結果どんな変化が起きたのか? そのすべての歩みをご紹介したい。 私は多くの本を読み「お金のプロフェッショナル」たちの知恵、哲学、ノウハウのエッセンスを抽出した。
すると、共通する「法則」が浮かび上がってきた。 それを私は「1億円の法則」と名付けた。 この法則をきちんと理解すれば、私が 10 年かけてきた試行錯誤で得た成果をこの1冊であなたは手にすることができる。
法則34 会社をつくり、税金の制度を味方にする
私は『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』のおかげで、「ファイナンシャル・インディペンデンス(経済的独立)」という考え方に出会うことができた。
当時28歳だった私は、借金まみれでお先真っ暗の中、はるか彼方に見える「ファイナンシャル・インディペンデンス(経済的独立)」という希望のともしびを頼りに、ひたすら歩んできたといっても過言ではない。
あれから約7年の歳月を経て、私は、ぜいたくさえしなければ、あくせく働かなくても生活できるだけの資産─1億円─を築いていた。
もちろん、まだまだ先の長い一生のことを考えると、「もう十分」といった額ではない。しかし、大きなトラブルに巻き込まれたり、投資で大失敗したりしなければ、講演や執筆の仕事をのんびり続けながら生活できる状態になっていたのだ。
私はひとつの節目として、念願だった自分の会社を設立することにした。
社名は「ファイナンシャルインディペンデンス」だ。
忘れもしない2007年12月。私は数ヶ月かけてそろえた登記の書類を胸に抱え、喜びと緊張が入り混じった気持ちで、役所に提出した。 ただ、自己満足のためだけに会社を設立したのではない。
当時、読み進めていた『33歳で資産3億円をつくった私の方法』に書かれていたこんな一節が、私を後押ししたのだ。
お金持ちになるには税金を知り、税金を味方につける必要があります。〈中略〉自分でビジネスをやっている人は、家賃から車にかかる費用、新聞、通信費まで、事業に要した費用という名目が立てば、経費として計上できます。つまり、事業家は、うまくすれば一円も所得税を払わなくてすむのです。
所得税の額は、その人の「年収」で決まる。年収が高ければ支払うべき所得税も高くなり、年収が低ければ所得税は低くなる。
会社員の場合、「源泉徴収」といって、あらかじめ給与から所得税が天引きされてしまう。しかし事業家は「利益から必要経費を差し引いた額」を年度末に申告することで、次年度の所得税や住民税の額が決定するのだ。
つまり、事業家になれば、必要経費のぶんを差し引いて純利益を少なくすることができる。その結果、納めるべき税金は安くなる。もちろん脱税は御法度だが、必要な経費を計上して節税するぶんにはまったく問題ない。
法人化することのメリットは『金持ち父さん貧乏父さん』や『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』でも再三述べられていた。
税金といかに上手につきあっていくか。それがお金持ちになれるかどうかの分岐点なのだ。 当時の私は、父の保険代理店業を継いでいたものの、代表者はあくまでも父。私は役員として報酬をもらうというかたちになっていた。
つまり税金面では、会社員となんら変わりない生活を送っていたのだ。 そこで保険代理店とは別に「自分法人」をつくり、保険代理店業から得られる収入のほか講演料や原稿料も、すべて自分法人の売上として計上することにしたのだ。
ポイント:法人をつくろう
法則35 会社勤めをしながら「自分法人」をつくる
「ぼくは会社勤めしているから、自分法人なんて設立できないよ!」
そう思われた方もいるだろう。いや、あきらめるのはまだ早い。
『33歳で資産3億円をつくった私の方法』の中には、会社員でも自分法人を設立し、節税できる方法が3つ紹介されている。
要点のみを紹介しよう。
① 自分法人をつくり、今勤めている会社との「雇用契約」を解除し、自分の会社との「業務委託契約」に切り替える。会社からの給与は、あなたの会社の売上として計上し、あなたは自分の会社から給与をもらうようにする。
これが私の行なった方法だ。ただ、「雇用契約」と違って「業務委託契約」は継続性に保証がないので、一般の会社員には難しいかもしれない。
② 会社員を続けながらネットオークションでも情報商材の販売でもいいので、ビジネスを起ち上げる。 そして個人事業者として必要経費を計上して、事業所得を赤字にする。確定申告で給与所得と「損益通算(所得の「黒字」と「赤字」を相殺する計算)」すれば、給与から源泉徴収された所得税が一部戻ってくる。
確定申告とは、個人事業主が年間の所得を算出し、国に申告することで次年度の支払い税額を決定するための手読きだ。 一般的に、会社員は確定申告の必要はないが、年収が2000万円を超える場合などは申告の必要がある。また、確定申告をすることにより、納めすぎた税金が戻ってくることもある。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。