かつてはLGBTとしての考えを熱く語ってくれるキャストもいました。それが悪いとはいいません。でも、お客様の多くはLGBTについて議論したくてお店を利用されているわけではありません。
お客様がそれを求めるのなら、ふたりでそうしたことについてみっちり話し合うのも、ひとつの過ごし方でしょうけれど、そうでないのならお客様の心身を気持ちよくするために心を砕くべきです。
どうしたらお客様にご満足いただけるかを考えるのが、彼女のお仕事なのですから。
いまふり返ると、そのキャストはほかにそうした話をする場も耳を傾けてくれる人もおらず、お店にそれを求めていたようにも思います。彼女は短期間で辞めてしまいましたが、その後、どこかでそんな場所を見つけられたのでしょうか。気になります。
いま在籍しているキャストを見ると「LGBTの一員として、レズビアンとして働いています!」という感じはありません。それよりも、ただひとりの人間としてレズ風俗店で仕事をしているという雰囲気が伝わってきます。
レズ風俗店で働いているからといって、「LGBTとは」「レズビアンとは」と考えなければいけないということはないです。周りからそれを過度に期待されることもあってはならないと僕は思います。
当事者の孤独と後ろめたさを埋めてくれるキャスト
LGBTを、というよりレズビアン女性を取り巻く環境の変化について、あいなちゃんというキャストは卒業後に、「私、いまだったらあんなに告白されないと思う」と語っていました。
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