こちら、幸福安心委員会です。

第2回 序幕 【オンディーヌ 〈No.01_00〉】 8年前

道に迷ってしまったオンディーヌ。声をかけてくれた男の子はいったい何者なのか?
人気ボカロ楽曲「こちら、幸福安心委員会です。」のノベライズ第2弾の発売を記念して、第1弾ノベル『こちら、幸福安心委員会です。』の一部を公開します。


「帰るなら歩け。ぼんやり立っていれば解決するとでも? 名前」
「な、なまえ?」
「お前の名前だよ。ないとか言うなよ。とりあえず見た感じでは、服の外側には、どこにも書いてなかった。ラベルなし。ネームプレートなし。だから聞いてる」
「あ、あなたから名乗りなさいよ。レディに名前をたずねる時には……」
「そのルールなら知ってる。漣(れん)。黄波(きなみ)漣。聞いたら覚えろよ。2回言ったからな。3回は言わない。お前が馬鹿じゃないなら覚えるはずだ」
「お前じゃないわ!」
「じゃあ名乗れよ。僕は、もう言った」
 猫っ毛の男の子、黄波漣。見通せないものなどない、とでも言いそうなほど、不遜で不敵な瞳で、わたしを見つめてくる。
 

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こちら、幸福安心委員会です。

wogura /うたたP /鳥居羊

巨大ウォーターフロントにある「みずべの公園市国」。そこは完全で完璧な女王サイレンと呼ばれるAI(人工知能)が統べる国家だ。サイレンは自らの分身である“オンディーヌ”と、市国民のなかから選ばれたエリート集団“幸福安心委員会”を使って市国...もっと読む

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