資産を増やすための「雪玉」をつくる─―2003年、31歳、はじめての投資に挑戦する
私はかつて借金が500万円以上あった。しかし、その後の10年間で資産を1億円にまで増やすことに成功した。今ではお金に困ることはまったくない。お金のために働くステージはとっくに卒業している。 「そんなことが可能なのか?」と思われたかもしれない。 心配は無用。可能だ。
この連載では、私がドン底だった時代にどんな本を読み、そこからどんな知恵を授かり、どう行動し、その結果どんな変化が起きたのか? そのすべての歩みをご紹介したい。 私は多くの本を読み「お金のプロフェッショナル」たちの知恵、哲学、ノウハウのエッセンスを抽出した。
すると、共通する「法則」が浮かび上がってきた。 それを私は「1億円の法則」と名付けた。 この法則をきちんと理解すれば、私が 10 年かけてきた試行錯誤で得た成果をこの1冊であなたは手にすることができる。
法則23 「ダイヤモンドの原石」を探す
「お金を増やす」といっても2つの時期に分かれる。「資産形成期」と「資産運用期」だ。つまり「資産をつくる時期」と「その資産を運用する時期」である。
資産をつくる時期にチャレンジするといいのが「IPO」と「低位株」である。 「低位株」とはその名のとおり「低い値段の株」のことだ。株価が安いため、大量に買えるところが魅力的だ。投資の初心者にとって、リスクもそれほど大きくない。
いろいろと購入してその後の値動きを観察して研究してみよう。 低位株を選ぶときのポイントは、IPOと違って「知らない会社は買わない」ということだ。
「知っている会社で株価が安いものなんてあるの?」と思われるかもしれないが、実はある。名前をよく知っている会社なのに、なぜか株価が低くなっているものは探せば見つかるものだ。 私は「値が下がったら買う銘柄」のリストをつくっている。値が下がったところで迷わずに買う、というのは賢いやり方だ。
IPOも低位株も、ようは「安く買えて」「高く売れる」ような「ダイヤモンドの原石」である。そういう原石を見つけることが投資では大切だ。 IPOを始めてから1年ほど経ったころ、私は「中国株」という原石に目をつけた。IPOのときと同様、まだ巷には中国株の情報がとても少なかった。そのとき書店で手にしたのが、『10万円から本気で増やす中国株』という本だった。
本の中で、特に私が共感したのは、「そこには昭和30年代の日本がある」という一節だった。
現在の中国と昭和30年代の日本を比較してみると、経済指標がとても似ていることがわかるという。 昭和30年代の日本といえば、高度経済成長の真っただ中にあった。著者は、今後の中国経済も高度経済成長期の日本と同じ道を歩むだろうと予想していた。
私は、中国株に投資することを決めた。 『10万円から本気で増やす中国株』の著者である戸松信博さんのセミナーに参加した。セミナーでは、知識だけでなく、同じく中国株に興味のある仲間もできた。その後、この仲間との情報交換が中国株の売買でとても役に立った。
自分の投資の知識に不安を覚える人は、セミナーなどの勉強会に参加することをすすめたい。本では得られない別の知的刺激があるはずだ。 こうして私は、IPOで増やした資産を、中国株でも増やすことに成功した。 これまでの話を聞いて「いい時代だったから、儲けることができたんでしょ?」と冷ややかに見つめている人もいるかもしれない。たしかにそのとおりだ。
しかし何度も言うように、今の時代も「ダイヤモンドの原石」は必ずどこかに転がっている。 「少子高齢化と人口減少の先行きの見えない時代に投資なんて……」と多くの人が萎縮している今だからこそ、チャレンジする価値はあるのだ。
なぜなら、みんなが「いい」と思ったときには、すでに手遅れなのだから。
ポイント:未来を信じて投資しよう
法則24 「一生絶えない収入の流れ」をつくる
話は少し前に戻る。
私がまだ借金を完済したばかりで、IPOも中国株もまったく知らなかったころの話だ。
当時は「次の目標は『ファイナンシャル・インディペンデンス(経済的独立)』しかない」と確信したものの、まだ貯金といえるものはほとんどなかった。 「仕事を辞めても毎月の支出をまかなえるだけの資産を持つ」なんて、とうてい無理なことのようにも思えた。
どうしたら、少しでも効率よくお金を増やすことができるのだろう──。 そんな悩みを抱えていたときに出会ったのが、『ロバート・アレンの実践! 億万長者入門 生涯続く「無限の富」を得る方法』だった。
この本は「一生続く複数の収入の流れ」の構築法を伝授している。「自分の財務状態をコントロールする方法」「家にいながら1日1000ドル稼ぐ方法」など、その内容は『金持ち父さん貧乏父さん』の著者であるロバート・キヨサキ氏をして「ロバート・アレンの能力には敬服する」と言わしめているほどだ。
その本には、こんな言葉が書かれていた。
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