ワタナベアニ
写真ばかり撮ってないで自分の目でじっと見ればいいのに、と言われたら
携帯電話で写真が撮れるようになってから、自分の目で見ないで写真ばっかり撮っている人を批判する声が増えました。たしかにそれは考えものですが、写真を残すことの良さもまた、あります。今回の「写真で話そう」は、そういったお話。
ワタナベアニです。よく、写真ばかり撮ってないで自分の目でじっと見ればいいのに、というような言葉を聞きます。俺は徹底的に記憶力がないので写真がないと何も思い出せません。デジタルの良さは日付・撮影データなどの情報が残ることで、とても便利です。
その場でじっと見て記憶するのも大事ですが、じっと見たあとに記録として写真を残すのもいいものですよ。人間の記憶は不確かですからね。
特に、人と会った記憶は大切です。ここにある写真は、日本、中国、フランスで撮ったものですが、写真のデータに日付があると、何をしに行った時か思い出しやすいです。いらない写真はあとで捨てることもできますが、残したかった写真は決して撮り直すことはできません。傑作なんて撮ろうとしなくていいんです。とにかく日記をつけるように毎日撮ってみましょう。
美術館にいた人。彫刻ですが。
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この連載について
ワタナベアニ
写真家・ワタナベアニさん。年中無休、四六時中、カメラのシャッターを切り続けています。この連載ではそんなワタナベアニさんのライフワークともいえる、ポートレート写真を掲載していきます。レンズのむこう側で写真家は何を思っているのか、その様子...もっと読む
著者プロフィール
1964年生まれ。神奈川県横浜市出身。写真家・アートディレクター。広告プロダクション、株式会社ライトパブリシティ勤務後「NINJA FILMS」設立。アートディレクター・クリエイティブディレクターとして「45R」などのブランディングデザインを手掛ける。2006年よりアートディレクターと並行して写真家としての活動を本格的にスタート。雑誌・広告・ファッションカタログ、国内外での写真展を中心に活動。