YOSHIKO 広島県出身。モーニング娘。を中心に、Berryz工房、℃-ute、スマイレージ、Juice=Juice、アンジュルムなど、多くのハロー!プロジェクト系グループの振付を手がける。フォーメーションを強く意識した「フォーメーションダンス」をアイドルダンスに取り入れ、数多くのフォロワーを生んだ。
振りコピを意識し始めたのは松浦亜弥のあの曲から
竹中夏海(以下、竹中) もちろん振付ってフォーメーションができたら終わりではないじゃないですか。それ以外の振りはどう作られてますか? スタジオに入って実際に踊りながら、とか。
YOSHIKO 私は全部書き書き! 振付もフォーメーションもノートにメモして。
竹中 ええと、ハロー!って学業優先だから振り入れの時間が短いじゃないですか。だから前の対談の時、メンバーと同じ人数のダミーダンサーにまず覚えてもらって、それをメンバーに振り写すと聞いたんですが……。ダンサーに覚えてもらう時点ではYOSHIKO先生の頭の中ではもう出来上がってるってことですか?
YOSHIKO うん。でもフォーメーションは実際にやりながら実験みたいになるけどね。自分にしか分からない振付のメモがあって、それを見ながらダンサーの子達に振りを覚えてもらいつつ、「じゃあこれ踊りながらしながらこの移動はどこまでできる?」って。
竹中 「頭の中で思ってたのと違う!」となったり?
YOSHIKO そう。「あれ? 出来できないんだ、じゃあ例えばこう変わったらできる?」といった感じで。実験をやり始めちゃうと、「あ、もうこんな時間経ってた」みたいなことはよくある。
竹中 あれだけ複雑なフォーメーションだったら、そうなりますよね。頭の中で振りを作るにしても、かなり時間かかりそうですね。
YOSHIKO でも、最初に聴いて「この感じ好き」って思ったら、2〜3時間でできる。
竹中 作りやすい曲ってありますよねぇ。逆に難しい曲はどうですか?
YOSHIKO 丸1日はかかってる。で、ダンサーに踊ってもらったやつにチェックが入って 、修正してできあがってから、やっとメンバー本人に振り写し。
竹中 全曲がつんく♂さんのプロデュースというわけではなくなりましたが、それでも修正は変わらず多いですか?
YOSHIKO 分量はかなり減ったんだけど、大体サビや間奏のポイントで何かしら来るから、修正を反映した振りを作る為にもう一日用意してある。
竹中 具体的にはどういう修正が多いですか?
YOSHIKO 例えばだけど、「U.S.A」みたいな、みんなが見てすぐ真似できるようなのがいい、とか。
竹中 YOSHIKO先生って振りコピはどのくらい加味して作られてるんですか?
YOSHIKO 一応、いつもその要素は入れてるかな。
竹中 アイドル現場でそれがスタンダードになったのって2010年代だと思うんですが、ハロー!プロジェクトのファンはそれよりも早いですよね。
YOSHIKO 早かったね。初めてコンサートの振付を担当したのが松浦亜弥だったんだけど、その時にファンの人がみんなが真似してくれたことに感動して。「あ、そういう風に覚えてもらえるものを作ればいいんだ」って、そこから意識するようになった。
竹中 それは何の曲だったんですか?
YOSHIKO 「LOVE涙色」っていう。
竹中 あれをみんなで振りコピするんだ。それはかわいいな!
YOSHIKO ただ手を上げるだけの超簡単な振りなんだけどね。それをお客さんが一斉に 「LOVE!」で上げてて、「おおおお! これかあ! そういうことね!」って。
ハロー!プロジェクト独自の振付文化
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