後編】作品化した人生をどう生きるか

前回に引き続き、『中身化する社会』(星海社新書)の著者・菅付雅信さんと、cakes編集長・加藤貞顕による対談の後編をお届けします。あらゆるコミュニケーションが可視化され、それぞれの個人の本質が問われる時代に、我々はどのような生き方を選ぶべきなのでしょうか。菅付さんは、「中身化する社会では、三つの生き方が用意されている」と説きます。気になる三つの“答え”とは?

リスクをとらなければ感動が生まれない

加藤貞顕(以下、加藤) 中身化する社会を生きる個人は、それぞれがメディアになって自分の情報を発信していくしかないですよね。けれど、Twitterなどを利用していると、発言によって炎上してしまう人の多さに驚きます。

菅付雅信(以下、菅付) そういう意味では、大変な世の中になってきてはいますが、一方で、炎上というのは、当たり前と言えば当たり前でもあるんですよね。皆が炎上を恐れすぎているというか。意見を言ったら応援してくれる人もいるけど、批判をする人が出てくるのは当たり前だし、コミュニケーションってそういうものじゃないですか。

加藤 その通りだと思います。自分の名前や連絡先を出すのを怖がる風潮も、炎上をおそれた結果の弊害ですよね。僕自身は、ネットに携帯電話の番号も出していますけど。

菅付 大変なことはないですか?

加藤 ないですね。「2ちゃんねる」の西村博之さんが、以前、携帯番号を公開していたことがあるんですよ。それで、本人に「大丈夫ですか?」って聞いてみたら、「全然問題ない」って。あの人が大丈夫だったら、大丈夫じゃない人なんて日本にはいないと思って僕もそうしました。そしたら、意外に便利で(笑)。

菅付 そうですか(笑)。

加藤 たしか、10年以上前のことですが、Googleのエリック・シュミットが「将来はプライバシーの概念がなくなる」と言っていました。最初に聞いたときは何を言っているのか分からなかったけど、今は彼が予想した未来になりつつあることを痛感しています。

菅付 ある種のリスクを取った行動をすることは、自分を作品化する方法の一つですから、自然ななりゆきです。誰からも批判のない作品は、誰からも強く評価されてない作品であるのと同じように。人生も同じです。批判を超える評価を得ればいいんです。

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見栄」から「中身」へ—編集者・菅付雅信インタビュー

菅付雅信 /cakes編集部

ソーシャルメディアが普及したことによって、人々は見栄を張ることができなくなってきた――。そんな世界でどう生き延びていくかを描いた『中身化する社会』が星海社新書から発売されました。すべての分野においてより本質を問われるようになった時代に...もっと読む

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