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「ポリアモリーより、不倫のほうがエロくない?」
先日、AV監督の二村ヒトシさんと対談するなかで、こんな話題が出てきました。 登壇したのは、『きのコ×二村ヒトシ対談「名前のない関係たち」〜心地よいパートナーシップのかたち〜』というイベント。 そういえばライターの亀山早苗さんとトークイベントで対談した際も、「不倫のほうがエロい」談義が出てきたのを覚えています。
二村さんも亀山さんも、私にとってはエロスの世界を知り尽くした大先輩。そういった方々が口を揃える「ポリアモリーより不倫のほうがエロい」という言葉、なかなかに深いものがあります。今回はポリアモリーと不倫について、考えていきましょう。
隠すがゆえのエロス
私は「ポリアモリーより不倫のほうがエロい」というのは、ポリアモリーと不倫とに優劣をつけようというのではなく、あくまでも「 秘密のある関係性のほうが楽しい」という意味だと思っています。
つまりは、「隠すがゆえのエロス」という情緒。確かに、たとえばストリップだって、ダンサーが最初からすっぽんぽんの大股開きで登場してきたのでは興醒めというものです。見えるようで見えないとか、少しずつ見えてくるとかいったところにこそエロスがあるといえるでしょう。
秘密のドキドキわくわく感って、いうなれば、子供のころ気の合う仲間たちだけで作った秘密基地のようなもの。別にそこでやましいことをするわけじゃなくても、ただ「オレたちだけの秘密」であることが、楽しい。 あるいは自分のお気に入りのバーを“隠れ家”として、仲のいい人にしか教えたくない、という感じ。
なにか素敵なものを、自分だけの秘密としてこっそりと堪能する。そこに優越感やスリルを感じる人も多いことでしょう。その感覚は、もちろん私にもよく分かります。
……でも人間って、「お気に入りだから秘密にしておきたい」と「お気に入りだから教えたい」という、相反する気持ちをもちあわせた生き物ではないでしょうか。私個人はどちらかというと、後者の「シェア欲」(ある種の自己顕示欲?)みたいなものが強いのかもしれません。
二村さんが“エロい”と言う不倫は、あくまでもバレないように緻密に営まれ、罪悪感のない、いわば「丁寧な不倫」。つまり“愛ゆえの優しい嘘”みたいなものだと思います。
私は優しい嘘って表現、どうにも引っかかってしまうのですが……とはいえ、罪悪感に苦しみながら不倫している人もいれば、悩まずに不倫を愉しんでいる人もいる、これは確かでしょう。
いつのまにか世間から”背負わされた”秘密
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