Rule
将来に備えて、
お金以外の価値あるモノを資産として持とう
そもそも、なぜ資産を持つことが必要なのでしょうか。
それは、お金の額面というものは、信用できないからです。
言い換えると、お金の価値は、同じ額面でも時代によって変わってしまうからです。
例えば、1万円札は10年間放っておいても1万円のままです。
だから、1万円の価値に変動はないと思うかもしれません。
しかし、10年後の1万円の価値は変動しているのです。
値段が市況によって変わる牛丼を例に、1万円で牛丼を何杯買えるのかで比較すると、2009年12月時点のすき家の牛丼(並)は税込280円で、牛丼を35杯(計9800円)買うことができました。
それに対して、2018年は税込350円で牛丼を28杯(計9800円)しか買えません。
つまり、10年間で1万円の価値は牛丼7杯分落ちているわけです。
仮に、2009年に牛丼35杯分の商品券を購入していたとしましょう。
当時の価値としては9800円です(280円×35杯=9800円)。
今の商品券の価値は牛丼35杯分で変わりませんが、現金に換算すると1万2250円(350円×35杯=1万2250円)の価値があることになり、商品券の価値は2450円上昇しているということです。
一方で、この間に現金1万円をタンス預金していても1万円は額面通りです。
ですから、額面は変わらないのに、2009年に9800円の価値であった牛丼35杯分の商品券より価値が低くなっているともいえます。
私が「お金の額面は信用できない」といった意味が分かっていただけたでしょうか。
さらに円とドルの関係で見てみましょう。
アベノミクス前の2011年の年平均レートは、1ドル=79・8円でした。
それが2017年になると同レートは1ドル=112・2円になっています。
これは10ドルのものを買うのに、2011年は798円でよかったものが、2017年には1122円必要になったということです。
日本で暮らしているからわざわざドル換算する必要はないと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
アベノミクス以降の円安ドル高で、私たちにとって輸入品は40%割高になってしまいました。
私たちから見て、車のガソリンも、バナナやコーヒーなど身近な輸入食材も、アイフォン(iPhone)に代表される外国メーカー製のスマホも、すべて40%値上がりしたということになります。
もちろん、その間、お給料は40%値上がりしていませんよね。
日本円で給料をもらい、資産は預貯金だけという場合、すべての資産が日本円ですから、日本円の価値の上下に資産価値も影響されるわけです。
日本はここ20年デフレが続いているため、物価が下がり、モノがどんどん安くなっている中で、日本円を持っていても「損をした」という印象はなかったと思います。
しかし、さまざまな産業がグローバル化する中で、今、私たちは日常的に外国製品に囲まれて過ごしています。
そして、世界の物価上昇の中で、日本でもモノの値段は上がっていきます。
その結果、日本円を持っているだけでは、どんどん貧乏になってしまうのです。
国内経済成長の見込めない日本において、増額が見込めない給与所得と低金利での円預金だけで将来に備えるのは、リスクが高すぎます。
だからといって、3分の1をドルにして、もう3分の1を株にしてというふうに、無理矢理に資産を分散するのも投資色が強く一喜一憂しますし、オススメしません。
そこで、自分が使うために買った価値のあるモノを資産とすることで、無理なく楽しみながら資産の分散をするのです。