Rule
新品にはプレミアム価格が上乗せされて高くなっているので、
中古マーケットがあればぜひ検討すべき
私は大学卒業まで海外で生活していましたが、帰国後から常々感じているのは、日本人の「新品好き」です。
自動車を購入するなら新車、自宅を購入するなら新築、といった具合に、特に高額なモノほど新品にこだわっている気がします。
車や家ほど高額でなくても、第一子にはお下がりを着せないとか、新居には家具を新調するとか、新しいモノを購入したがる傾向があるように思います。
もしかしたら、日本人は「新品好き」というより、中古品に対して、ネガティブなイメージを持っているのかもしれません。
しかし、これらの新品志向は、あまり意味をなさないだけでなく、非効率なお金の使い方につながります。
例えば、自動車(=車)。
車は、本来〝移動のための箱〟ですし、使用期間に比例して値段は下がっていく消耗品です。
アメリカでは、新車にこだわって買う人は少ないという印象があります。個人間取引で中古車を売買するというのもよくありますし、最近だと車を所有せずリースするというのも聞きます。
では、消耗品である車を新車で購入するメリットはなんでしょうか。
自分の理想通りに、オプション内装がオーダーできること? それなら、内装まで好みの中古を探せないのでしょうか?
恐ろしいことに、新車は納車されてキーを入れてエンジンをかけた瞬間に価値が下がるのですから、2~3年乗られた中古車を買った方がむしろお得なのではと思います。
中古車なら、新品では高すぎて購入できない車にも手が届いたり、予算内で選べる選択肢が広がります。ディーラー保証などもあるので、決して粗悪というわけではないのです。
私の知人に、中古で1年落ちのBMWを購入した人がいます。
新車価格の60%で購入したそうですが、中古で購入したとは思われないようです。彼は「消耗品の買い物としては、このくらいの価格が妥当」と言っていました。
持ち家にしても同様です。
新築にこだわるのは日本人だけで、イギリスでは築100年以上の建物だらけで、そういう古い建物をリフォームして使うのが主流です。
不動産は消耗品ではありませんが、建物や内装部分の価値は下がっていきます。そして、新築の場合、新車同様、「新」の部分に一定のプレミアムが上乗せされています。
「新」プレミアムは、住んだ瞬間になくなってしまうものですから、最初からプレミアムが落ちた物件を買った方が、支払う額に見合う資産を手に入れられると思います。
間違っても、「システムキッチンが気に入ったからこの家を買いたい」などと思わないでください。
リフォームすれば間取りさえも変更できるのですから、キッチンの広さや機能は関係ありません。
変わらないのは、立地と日当たりで、それらを気に入ることの方が建物の新しさより重要なのです。
できれば建物の価値がほぼないくらいの古い物件を購入して、リフォームするのがオススメです。リフォーム代を含めても、新築より値段を抑えられる上に、住み心地のよい家になると思います。
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