こおりやま・しろう/1935年生まれ。ソニー常務からソニーPCL社長、会長、ソニー顧問を経て2004年にプロ経営幹部派遣・紹介のCEAFOM設立。著書に『定年前後の「やってはいけない」』(青春出版社)など。Photo by M.K.
──69歳で起業したのは、どんな理由からですか。
私自身が、自分のキャリアにおごり、苦い思いを味わったからです。ソニー常務から子会社の社長・会長を務めたので、その後も仕事はいくらでもあると思っていたら、「そんな年配者で、まして大企業の役員出身者に仕事などない」とまったく相手にされなかった。ならば自分でやるしかないか、と。
──人材紹介の会社をやってこられて実感するものは何ですか。
私は、いずれ90歳まで働く時代が来ると考えています。そうなると、人生を定年前後までの前半戦とそれ以降の後半戦に分けて考える必要があります。ところが、現在の日本の労働市場や労働法制は、前半戦のためのもので、後半戦のことは一切考えられていない。定年後に仕事を探すシステムも、雇うシステムもないんです。
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