先日、イカ好きの友人と、水族館に行ってイカを見てきた。
目的が「イカ」。
水族館って恋人とデートするところだと思ってたよ。
イカの魅力について、とくとくと語る友人は、言葉は静かだが目が輝いていて、すごくステキだった。
私は特別にイカが好きなわけじゃないけど、ナニかに特別さを感じていて、それについて熱量を持った人は好き。
私の知人には、一風変わったナニかが好きな人がいる。
イカが好きすぎて、日本にいる全てのイカの種類を釣りたいあの子。
唐辛子が好きすぎて、休日は唐辛子屋さんをしている会社員。
南インド料理が好きですぎて、脱サラをして南インド料理店オーナーになった怪しいオジサン。
そんな人たちと話すと、ナニかについて冷静に語っていたりするのだけど、熱量がはんぱない。仕事はまた別で持っていても、プライベートのほとんどを、そのナニかに費やしている。
私はネイルとか映画鑑賞とか合唱とか…趣味と言えるのかな?というくらい、広く浅い趣味しか持っていなかった。
どの趣味も、その時は楽しかったり嬉しかったりするけど、心は空洞というか。
楽しそうと思ったことをしていても、心も体もひとつになって楽しいとは思えなかった。なんとなくバラバラで、心が埋まらないと感じていた。
だから夢中になれる趣味を持っている人に憧れもした。
それが今や、野草が好きすぎて365日観察したり食べたりしている。
野草観察している時間が楽しくて、時間を忘れて野草に打ち込んでしまう。
昼休み中に野草観察をしていると、午後の始業に遅刻しそうになることがしばしばあるくらい。
野草に没頭するために、今まで趣味だと思っていた全てのことを手放した。
いつ、どこで、ナニに目覚めるか分からないものだ。
ドングリは美味しい!?
今年、目覚めたのはドングリだった。(野草じゃないね)
初夏に「スダジイは美味しいんだよ」と聞いた。
それならば食べてみたい。と思って秋になるのをずっと待っていたのだ。
スダジイはドングリのなる樹木の1種。
会社からほど近い神社にスダジイはあった。
そろそろドングリが落ちているかな・・・と思って向かったら、あった!
スダジイのドングリが落ちていた。
「ドングリ」と言われれば、なんとなく姿かたちが思い浮かぶ人は多いと思う。
でも、そもそも「ドングリ」という種類の植物はない。
クヌギやカシなどのブナ科の植物の実を総じてドングリと呼ぶ。
その種類は国内だけで約20種類。栗も広い意味ではドングリである。
縄文時代には人間もドングリを食べていたらしく、遺跡からも見つかっている。
だから、ドングリ料理のことを縄文○○と呼ぶ。例えば、ドングリクッキーのことを縄文クッキーとかね。
多くのドングリはよく似ている。ドングリがかぶっている帽子のような殻(殻斗、カクト)と、ドングリ(堅果、ケンカ)やヘソ(堅果と殻斗がくっついている部分)の形で見分けることができる。ただ、これは本当に難しい。
私は、このカクトのことをパンツと言ってる。
このドングリは、シマシマパンツを履いている、こっちのドングリはウロコパンツを履いている、あのドングリは毛糸パンツを履いている、と思った方が覚えやすくて。
見分けが難しいドングリだけど、スダジイはとても簡単。
大きな特徴は、チューリップパンツだ。
スダジイは総苞と呼ばれるものがドングリを覆っていて、これに少し裂け目が入り、チューリップのような形になる。
ドングリの下処理
水につけると、虫食いされたものや、中身が空のものが浮いてくる。
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