伝えることは難しい。まずその原因をつぶそう!

こんなときには、こういう言い方をすればいい。そんな対症両方ではうまくいかないのが当たり前。何度も失敗している方には、よくわかりますよね。本書では、伝わらない原因を、ひとつひとつつぶして、根本から問題を解決しようとしています。回り道なようで実は、確実! 今回は、「伝わらない4つの原因」について。話題の書、『伝わるしくみ』から特別連載です。


『伝わるしくみ』山本高史
マガジンハウス

難しくて面倒で厄介だ、というところから始めよう

「伝える」という言葉には実に魅力的な響きがあって、数多くの人がその方法論の獲得やスキルの習熟を渇望していて、それに呼応するように数多くの「伝わる」書籍が出版されています。
 伝え方には人それぞれあっていいし、その指南書のようなものもいろいろあっていい。ここで書かれているのもその中の一つの方法論に過ぎないのですが、ぼくは次の ようなロジックで提案しようとしています。

伝えることは難しい。
難しいと思うのにはそう思わせる原因がある。
まずその原因を明らかにすること。
そしてそれを解消すればいい。
原因がなくなれば難しいということはなくなる。

 先に「面倒くさいことが前提だから、論点を明確に。やるべきことをシンプルに」 と書きました。
 具体的には、まず「うまくいかない原因を明確にして→それを解消する」というこ と。
 伝えることの難しさは、どうやら対症療法(こういう時はこうしましょう)や部分 的な改善だけではすまないようです。ならばいっそのこと、うまくいかない原因まで 掘り下げてみてそれを解消することが、効果的でむしろ効率がよいと考えています。

 伝わらないことには原因がある

 伝わらないのは運が悪いのでも、受け手との相性が悪いのでもなく、そこには(確かにそれじゃ伝わらないわ)という原因があります。
 その原因を解明します。そしてその解消の方法を提案します。
解消すれば原因がないのだからもう問題はない、というわけです。

 その原因は4つ。

 ❶ 受 け 手 と い う 存 在 を 認 識 ・ 理 解 し て い な い 。
「伝わるかどうかはすべて受け手が決めることなので、受け手の価値観や尺度に則って伝えなければならない。しかしそれを知ってか知らずか、自分の価値観や尺度によ る判断のまま受け手に送ってしまっている。ゆえに伝わらない」ということ。

❷想像や発想のための知的経験値「脳内データベース」が乏しい。
「知っていることの範囲でしか想像もできないのに、自分が何を知っているかも顧みず、なんとか発想し伝えようとしても何も思いつかないか思いついても浅いこと、もしくは勘違い。妥当性も低ければ、面白くもない。ゆえに伝わらない」ということ。

 ❸ 受 け 手 と の 「 共 有 エ リ ア 」 に 立 っ て い な い 。
「受け手を理解しがたい存在としか捉えていないので、受け手に対する想像力は根拠を伴わない当てずっぽうのようなもの。その結果が的確に受け手を動かすことなど稀だ。やはり伝わらない」ということ。

 ❹ 言 葉 は 思 い の ほ か 大 変 だ 。
「言葉の持っている基本的な性質や難しさを理解しないで、自分の思うまま伝わると 思っているので、誤用・濫用にも気がつかない。どんなすばらしい想像も発想も言葉 を効果的に用いないと意味をなさない。ゆえに伝わらない」ということ。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

2時間でわかる、シンプルにして究極のルール

伝わるしくみ

山本高史
マガジンハウス
2018-09-27

この連載について

初回を読む
2時間でわかる 伝わるしくみ

山本高史

「しくみ」がわかれば、簡単に言葉にできる! シンプルにして究極のルールを、クリエーティブ・ディレクター/コピーライター、関西大学社会学部教授でもあるコミュニケーションのプロが、満を持して公開。今までいろいろな本を読んでも まだまだ悩み...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

cone_h 「療法」ですよね 7ヶ月前 replyretweetfavorite