ショーンKといきものがかり
活動休止していた「いきものがかり」の休止期間は1年10ヶ月だが、ショーンKが今年の元日に『世界見聞録 ~モンゴルで経済と豊かさを考える旅~』(TOKYO MX)で復帰を果たしたのも、経歴詐称騒動から1年10ヶ月ぶりのことだった。この偶然の一致に意味はあるのだろうか。ないに決まっている。ないけれど、意味を考えてみる。そうしなければ、この原稿が先に進まないからだ。
2018年がどういう年だったかといえば、テレビのニュースを見るたびに、政治家や官僚が何かしらの言い訳をし、「わからない」「記憶にない」「ちゃんと思い出してみたらそんなこともあったかも」「調べ直してみたら見つかった」「(自分は悪くないけど)誤解を与えたとしたらお詫びする」などと繰り返していた1年である。こちらも、ウソをつかれることにすっかり慣れてしまい、超豪快なウソが重なっても支持率にはさほど影響せず、辞職を求める声も高まらない。「ウソはついているけど、やることやってくれていればいい」という、ウソをついた本人が泣いて喜びそうな寛容さが随所で炸裂している。
ドリル優子から学ぶべきこと
たとえば、この数週間の片山さつきを見ていると、「ウソはついているけど、やることやってくれていればいい」どころか、「やることもやらず、とにかくたくさんのウソをついている」にすら寛容になってきているようで怖い。片山さつきやその周辺を見ていればわかるように、ウソに慣らされた国民を確認し、「彼らから非難を浴び続けようとも、そのうち逃げ切れる」という最終手段に移行する。自分とは関係のない議題が勃発するまで、ウソをつき続け、非難されまくっていれば、そのうちなんとかなると思っているし、実際、なんとかなりそうになっているのである。
捜査直前、ハードディスクにドリルで穴をあけた小渕優子陣営を思い出そう。ヤバいことがあるんです、ウソをついています、と全員に知らせるかのような行為をしてでもドリルで穴をあけたのは、ドリルで穴をあけたことくらい、有権者の多くが忘れてくれるはずと、民度を低く見積もったからである。この6月に4年ぶりに政治資金パーティーを開いた小渕は「新しいスタートラインに立ったつもりで前を向いて頑張ります」と述べたし、所属派閥の長である竹下亘の中では、「小渕氏を『10年、15年後』の首相・総裁候補に、との思いが強い」(産経ニュース・2018年6月21日)そうである。ドリルで穴をあけた甲斐があったのだ。
さつきKを見よ
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