独裁者を夢見た山口少年は、自分だけの帝国を築きたかった
──そこで身体を鍛えるか文化面に行くかでその後の人生の方向性が変わっていきますよね。
山口 そうかもね。で、オレは小学校の高学年ぐらいから急にプラモデルにハマりだすんだよ。タミヤの1/35シリーズっていうのがあって、ドイツ軍が大好きだったから戦車とか戦闘機とかよく作ったな~。
──なんでドイツ軍が好きだったんですか?
山口 オレがそのぐらいの時期に憧れたのはヒトラーなんだよ。
──超アウト! でも、当時ならしょうがないですよね。
山口 子供の頃は独裁者を夢見てたなぁ。気に食わない奴は全員ぶっ殺して自分だけの帝国を築きたいって思ってたから。
──じゃあ、「ナチス最高!」と思いながらドイツ軍兵器のプラモを組み立ててたんですか?
山口 そうそう。小学6年生の夏休みに、なんでもいいからひとつ研究してこいって自由研究の課題があって、オレはナチ研究をしたのよ。そしたらウチの親が心配してさ。親戚に学校の先生やってた人がいたんだけど、その人に相談してたよ(笑)。
──でも、ヒトラーって特撮や映画では悪役じゃないですか。
山口 いや、「カッコいい」っていう印象しかなかったな。制服とかもカッコいいじゃん。
──まぁナチはそういう方針ですもんね。
山口 あと、ヒトラーって元々絵描きでしょ。絵を描くのが好きだったから、シンパシー感じちゃってたよ。でも、ちょっと脱線するけど、絵の描ける政治家って魅力的なんだよ。ヒトラーとチャーチルって絵が描けるじゃん。日本の政治家には美術的センスがなさすぎるでしょ。だからダメなんだよ。やっぱね、美術的センスは大事だよ。