人間の無意識のエネルギーは、例外なく濁っている
これまで記してきましたように、人間とは意識レベルでどれだけ優しかったり丁寧だったりしても、無意識のエネルギーをスキャンしてみると、例外なく皆、濁っています。
そして多かれ少なかれ、互いに侵略し合っています——笑顔を浮かべながら。
つまり、誰と近くにいて過ごすかによって、あるいは強く、あるいは弱く、相手に応じて侵略され、影響を受け、エネルギーを巻きつけ合っているのです。それは、無意識レベルで勝手に起きていることなので、誰が悪いとか誰のせいとかいうことではないのですが。
ですから、誰と一緒に過ごすのかということは、極めて重要なことです。
人の悪口を言うのが好きな人や、自分の話ばかりする人や、他人と比べてばかりの人や、偽善的にやたらと親切すぎる人や、そういう人と一緒にいるなら、みすみす自分から腐ってゆくために門を開けて、城中の砦をプレゼントしているようなものです。
ですから、自分を「スゴーイ」と褒めてくれるような表面的な居心地良さに惑わされず、悪影響を受けていそうな人からは遠ざかることができるなら、それをお勧めいたしましょう。
誰と仕事をするか、誰からお金をもらうかも、けっこう大切
私の場合はかえって、これまで十年間くらいの間は、自ら門戸を開いて、あらゆる種類の人たちに日々、接してまいりました。
そして多数のエネルギー波を浴びては、それを浄化することを、最近は続けていました。
ただこの頃になって、自身の修行がいよいよ最終局面に入りつつあるのを感じるにつけ、他人から新たに入ってくるエネルギーを相手にするのはいったん止めにして、自らの内部に残っている、残りすべてのエネルギーを手放しきるのを先にしようと決めたのでした。
すべての継続的な人間関係を手放して毎日移動しながら瞑想しているのもそのためです。
また、約束があって、最後に出版される本がこれも含めて何冊かあるのですが、仕事相手がある限り、出版社の社長や社員のエネルギーも、遠くから流れこんでくるのが分かります。
そのことで読者のかたがたに伝えたいのは、誰と仕事をするかとか、誰から給料をもらうかということも、相手とエネルギーのチャンネルが合うことなので、けっこう大切だということです。そうしたチャンネルを通じても相手の影響を受け、知らず知らずのうちにコンディションが変化するのですから、気をつけて吟味いたしたいものですね。
私の場合、吟味どころかすべてを(いったん)手放しましたが、このような極端なことは、ふつうに楽しく生きてゆこうという限りは不要でしょう。
小池龍之介、最後のメッセージ
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