誰も嫌わない、誰も好まない生き方/侵略者モンスター【その3】

やっかいな人を自分のお城に入れない方法――この連載では、いろいろなタイプのやっかいな人を取り挙げながら、 彼らによって「心」という名の大切なお城を占領されないようにする方法を伝授してます。路上生活に突入し、ホームレス僧侶となった小池龍之介さん。侵略者モンスターその3では、私たちの「好き」エネルギーの恐ろしさについて。

あっさりした優しさで、人間関係はラクになる

裏返して申してみましょう。私がひたすら日々、瞑想を続けているうちに、私自身のカルマのエネルギーも日々着実に消滅していっているのですが、それと平行して、他者からこれまで巻きついてきた、膨大なエネルギー波も、浮かび上がってきては、消えていっています。
それを素朴に、愚直に続けているうちに、私の中で、徐々に、誰のことも「特別扱いしたい感」がなくなってきています。

誰も嫌わないし、誰も好まない。一昨日より昨日のほうがそうですし、昨日より今日のほうがいっそうそうなってくるのです。

そうなればそうなるほど、みんなみんな、同じ生き物に過ぎないのだから、好いたり嫌ったりする必要はなくて、その時その時に応じてあっさりとした優しさを向けてあげれば良いだけだというものなのです。

そうして他者から染みついていたエネルギーも消えてゆくのとともに、ずっと昔から占領されてきた砦が、一つまた一つと、言わば返還されていきます。

すると、「自分ってこういう人間」と思っていた要素も、ことごとく変化してゆくのですから面白いものです。ほんの一例としては、ちょっと前まで私は可愛いものや洗練されたデザインが好きでしたが、今はどうでもよくなりました。

その背景にあったカルマとしては(自分でも忘れていたのですが)、学生時代に影響を受けた女性のエネルギーを受ける形で、そういう趣味が生じていただけです。
その人に「センスいいね」とか、「あなたは可愛い物を選ぶのが上手」とか言われて喜んだことが、その後までずっと尾を引いていたのですねえ。知らず知らずのうちに、喜んで侵略されていたのです。
そのエネルギーが抜けるとともに、デザイン性などにはさして興味がなくなりました。

「好き」のエネルギーも、じつは野蛮なもの

「エネルギーが抜けると」と気軽に記しましたが、それはそれなりに凄絶なものです。当時はその人から受けた影響を「気持ち良い」と頭で感じていたのですが、瞑想でそれを追体験するとき、あまりにもドギツいエネルギーで砦を占領されていて、「可愛い、キレイなものこそ素晴らしい!」という考えのエネルギーは、内実は「ギャアアアアーッ!!」と絶叫するような、野蛮な質のものだと分かります。

そのように観察していると、色褪せてしまうと申しますか、何もかも実態はこんなものなら、本当に興味を持てなくなると申しますか、そんな感じで眺めていると、喰らいついているエネルギーは勢いよく抜けて消えていってくれるのです。

私のセンスに関わることをたまたま例に出しましたが、皆さんが好きなスポーツも好きな言語も、好きな食べ物も好きな仕事も、どれもこれも、皆さんにとって強力だった侵略者さんから、ビリビリする欲望のエネルギーとともに植え付けられたものなのですよ。

……だって、少なくとも、生まれたときからそれのことを好きではなかったでしょう? それは、変えられないものでもなければ、本物の足場でもなく、なおかつよくよく見てみるなら、実はビリビリする苦しみとともに皆さんの砦を占領している、誰か他人のエネルギーです。


チャンネルを合わせず、スルーする

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やっかいな人を自分のお城に入れない方法

小池龍之介

他人は変わらないし、変えることもできない―― 。 でも、苦手だったり嫌いな人こそ、あなたの心に入りこんできて、 気づけばいつも、 その人のことばかり考えてしまう自分がいる……。 この連載では、その特性を知ることで、自分の心(=...もっと読む

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