最終回は、最強でサイアクな人物について
扱いにくい人間類型を、何種類かにタイプ分けして対処法を考えてまいりましたが最後に、最強の人物を取り挙げてみましょう。
それは、「侵略者さん」です。前に略奪者さんと名付けたのに似ていると感じられるかもしれませんが、略奪者さんが時間や労力や好意を奪おうとするのに対して、侵略者さんは「お城そのもの」を侵略し、占領し、私たちの考えかたを支配する力を持っているので、最強と申した次第です。
もう少しドギツい表現をしてもよければ、洗脳する力を持っているということです。
最近になって旅に出てしまう直前までは、日々、縁のあった人たちのカルマ※のエネルギーを浄化する試みをおこなっていたのですが、それを通じて興味深いことに気づきました。
たとえば、その人自身のこれまでの怒りのカルマや欲望のカルマ。そののエネルギーを私の側にコピーして観察していれば勝手に浄化されていくのですが、けっこうその人自身以外の他人のカルマのエネルギーが混ざっていて、それがずいぶん悪影響を与えているのが、よく分かってきたのです。具体的には、たとえばある人が子供だったころ、その人のお母様が怒ったり批判したり、反対に褒めたり喜んでみせたエネルギーがその人に巻きついて、その人の心の働きそのものに、言わば喰いこんでいるような具合です。
こうしたエネルギーの振る舞いは奇妙なもので、その人の「お城」の中で勢力を拡大しようとして、似た行動や思考を繰り返そうとします。
ですから、本人が相手(この場合は母親)を嫌っていたとしても、そのわりには当の本人が、なぜか母親と似たような怒りかたをしたり、母親がしていたのとそっくりな自己主張や批判のしかたをしたり、ということがよく生じるのだと思われます。
※カルマ
業(ごう)。サンスクリット語では行為、または行為の結果として蓄積される宿命と訳される。過去(世)での行為は、良いものも悪いものも、いずれ自分に返ってくるという因果応報の法則の考え方。(人、物から発する)感化力、雰囲気など。
家族も夫婦も友達も、じつは侵略し合っている
これは、広大なお城の中に、たとえるならいくつもの砦があるとして、その砦のいくつかを、侵略者さん(=洗脳者さん)によって占領された状態だと言えるでしょう。
そしてこのような「侵略」は、よくよく細かく観察してみますと、ありとあらゆるところで、常時、起こっているようなのです。
人と人がただ単に近くにいるというだけでも、無意識レベルのエネルギー波は相手の中に入りこみ、砦を侵略しようとするのです。夫婦なんかは、よく考えかたや口癖まで似てくるものですが、それはお互いに知らず知らずのうちに侵略し合って、洗脳し合っているからだと思います。
坐禅にくる生徒さんたちの浄化をおこなっていましても、家族から受けたネガティブなエネルギーに侵略されているケースはよくあることながら、意外な影響をしばしば発見したものです。それは、瞑想教室で同じ空間に座ってはいても、話したこともない別の生徒さん同士の間で、強烈なエネルギーが巻きついて侵略され、体調まで悪くしていたというようなケースです。そうしたものは浄化すれば取れて消えるのですが、強い影響力を持つ人は、その場にいるだけで互いに侵略し合いもするのです。
この世の中は、いつも侵略合戦
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