「お酒の消費量が漸減している中でワインは堅調に成長している。第7次ブームといえる状況だ」
村瀬勝彦・サントリーワインインターナショナル企画管理本部部長は手応えを感じている。
ワインに含まれているポリフェノールが健康によいとして、赤ワインブームが巻き起こった1998年。第6次ブームといわれたが、下図のようにブームはわずか1年で過ぎ去った。

風向きが変わったのは2008年頃だ。ワインバー、スペインバルなど、カウンター席や立ち飲みで気軽にワインを楽しめる店が急増。そこで提供されたのが図でもわかる通り、1000円未満の低価格品を中心とした、チリ産、スペイン産のワインだ。「品質は昔に比べて相当向上している。フレッシュでフルーティな飲みやすいワインが多く、産地への安心感が強まった」(村瀬氏)という。お店でおいしいワインの味を覚えた人々は、家でも飲むようになり、低価格品市場は2桁成長を続けているという。
実際、メルシャンの低価格品も好調だ。3月に発売した「メルシャン エブリィ」の実勢小売価格は570円。「発売からわずか3週間で約3万ケースを販売した。年間計画の3割に当たる数字だ」(メルシャン)という。
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