ワタナベアニです。今回はテリトリーの話です。人をスタジオで撮ると「スタジオにいる顔」になります。自分の領域だと、カメラマンがレンズを向けているという違和感さえ取り除くことができれば、普段の顔が写ります。
この5枚の写真はどれも、それぞれのテリトリーの中で撮られています。職場だったり自宅だったり。いつもその人がいるべき場所にいてもらうと、不要な演技が生まれることがありません。街角のポスターの前に立っているのは、向かいの店で仕事をしていた男性ですが、何度も外に出てはここで休憩していました。
モデルを不自然に立たせてしまうと、無理に演じている雰囲気がそのまま見る人に伝わってしまいます。いい撮影場所を見つけたら、モデルにはそこに「住んでいる人」のように立っていて欲しい。リアルというのとは違う気がしますけど、偶然そこにいる必然性みたいなものが感じられると、物語を想像しやすいんですよね。
自宅にてスッピン
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。